最近のあるレッスンの時の話。
夏休みの話をしていたのだが、いつの間にか話がそれて、彼の日本語の勉強方法についての話になった。
その途中で、彼がふと気づいたように、
「あっ。棚が違う話になってしまいました」と言った。
「えっ? その言葉、初めて聞きました」と私が言うと、
「昨日見たドラマの中で使われていた言葉です。
たぶん、全然違う話という意味で使われていたと思います。
で、ちょっと使ってみたんですが……違いましたね」と笑った。
「棚が違う」……。
言いたいことは、なんとなく分かる。
でも、日本語としては、たぶん違う(笑)。
でも、私はこの間違いがとてもいいなと思った。
彼は、新しい言葉を覚えたら、次のレッスンで実際に使ってみるようにしているそうだ。
「でも、90%以上、間違っているんですけどね……」
と笑っていたが、それでいいと思う。
語学を勉強していると、「間違えないようにしよう」と思って、
せっかく覚えた言葉を使わないまま終わってしまうことがある。
でも、実際に使ってみて、間違ったら先生に直してもらう。
そこで初めて、「知っている言葉」が「使える言葉」になっていく。
考えてみれば、これは私自身の中国語の勉強にも通じる。
私も、その日に習った文法について、「こういう場合にも使えるのかな?」と思ったら、
自分で例文を作って先生に見てもらうようにしている。
正しい文を作ることだけが目的ではない。
「これで合っているのかな?」と思うところまで、自分で考えて使ってみる。
そして、合っていれば「よし!」、
違っていれば「なるほど、こういうときには使わないのか」と分かる。
そのほうが、文法の使い方がずっと印象に残る気がする。
そう考えると、今日の彼の「棚が違う」は、表現としては間違っていたけれど、
勉強方法としては大正解だったのかもしれない。
新しく覚えた言葉を、実際に使ってみる。
間違ったら直してもらう。
そして、次は正しく使う。
語学の勉強って、結局この繰り返しなのだと思う。
……とはいえ、「棚が違う」は、次回からちゃんと「話がそれました」と訂正してあげよう。
先生として、そこだけは棚を正しておかないと(笑)。
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