ロンドン生活こぼれ話 その⑭ロンドンオリンピック(2)閉会式裏話

Sachiko

 オリンピックで盛り上がっていたロンドン、オリンピックは閉幕しましたが今はパラリンピックの最中です。さて、今回オリンピックの閉会式に運良くバレエダンサーとして出演する事が出来たので、今日はその閉会式での裏話を書いて行こうと思います。

 閉会式のリハーサルが始まったのは5月の終わり、オリンピックスタジアムは開会式のリハーサルが行われていて使えない為、閉会式のダンサーは東ロンドンに設けられたリハーサル場所に集められました。

 といってもバレエダンサーだけでも200人も居る為、100人ずつ二つのグループに分けられ、最初に閉会式がどんな感じで行われるのかを説明する映像を見せられた後、初日の5時間のリハーサルで振り入れを終え、次の日に細かい所の振りの確認をした後は、なんと次のリハーサルは一ヶ月後という長い期間が空いた後でした。その後は二週間置きにリハーサルが行われ、7月からは更に別の大きなスペースに設けられた野外ステージがある場所でのリハーサルが始まりました。

 そこで大変だったのは今年雨ばかり降っているロンドン。スコールの様な大雨に降られ、リハーサル場所のあちこちに大きな水溜り・・・いえ、ほとんど道一面が水溜りになってしまい、待機用テントから野外ステージに歩くだけで靴もズボンもずぶ濡れになる、そんな事もありました。

 それでもなんとか毎回のリハーサルを終え、閉会式当日。朝からオリンピックスタジアムに入り、ヘアメイクを終え初めてスタジアムに設けられたステージでのリハーサルも行い、その後衣装の調整をしたりウォームアップ等をしていたら時間はあっと言う間でした。

 私達の出番は一番最後だった為、実際に閉会式を見た方から「ずっと待っているのは大変だったでしょう?」と聞かれたのですが、実はそんな事は全く無く、むしろ時間が足りない位でした。

 今回、日本でもテレビ等で流れたので知っている方も多いでしょうが、開会式の時の各国の選手の入場行進の時に開会式に出演していたパフォーマーの一人がインド人選手団の中に紛れ混むというアクシデントが起きてしまった為、閉会式の時はセキュリティを厳重にしたとの事で、閉会式がはじまるとここのドアからは出ないでと指示されたりもしましたが、別の出口から外に出てステージ裏を散歩したりする事も出来ました。

 他にも、聖火消灯の時に集まる位置を確認するからと、急に聖火の近くまで集められ待機させられたりもしたのですが、カメラを持っていなかったので間近で写真を取る事は出来ませんでした。フィナーレの時も要領の良い子達は急いで楽屋に戻ってカメラを持って来て写真をたくさん撮っていて「ああ、私もそうすれば良かった!」とも思いましたが、写真に撮れない分、自分の記憶に焼きつけておこうと、フィナーレで空に上がる花火を見つめていました。

 出番をスタジアムの入り口で待っている時に、偶然私大好きなバレーボールの日本人選手達が通りがかり「メダルおめでとうございます」と言えた事や、踊った後に聖火が消えて行く瞬間を間近で見つめていた事、フィナーレでスタジアムから見た花火等、今思うと夢の中に居た様です。

 ところで話は最初の方に戻るのですが、リハーサル初日に見せてもらった映像では「ジョンレノンの顔が開くと誰かが登場するけれど、まだ今は秘密です。」と言われたのですが、実際の閉会式では子供たちの合唱だったのであれ?と思いました。当初は噂になっていた様に、ビートルズを現在生存しているメンバーと、亡くなってしまったメンバーの子供たちで結成するつもりだったのでしょうか?

 あと、リハーサルで困った事と言えば、広い場所なので、各自ラジオとイアフォンを渡され、それによって指示や音楽を聞いていたのですが、急に聞こえなくなってしまったりもしました。(実は本番でも床に寝転がる振りの時に床にラジオのスイッチが辺り電源が切れてしまったりもしたのですが、スタジアム内に流れてる音楽が聞こえたので大丈夫でした)

 さて、そんなこんなで色々あった閉会式について今回は書かせて頂きました。次回からはまた日常生活のロンドン生活こぼれ話に戻る予定です。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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