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Cafetalk Tutor's Column

Koyuki 講師のコラム

After all, tomorrow is another day.

今週のテーマ: 自分の人生に影響を与えた本、または映画作品は?

2019年1月28日

 
   こんにちは、Koyukiです。
 
 今週のテーマ「自分の人生に影響を与えた映画や本 」に沿ってコラムを書いてみました。
   かなり多くの映画を観たり、本を読んだりしているので、どれか一つだけ私の人生に影響を与えたものを選ぶというのは難しく、それぞれがパズルのピースのように組み合わさって私があります。
  「事実は小説より奇なり」で実際に人生で経験することの方が私の人生に大きく影響を与えているのですが、あえて一つ挙げてみるとしたら、「風と共に去りぬ 」の最後のシーンのヒロインが言うこの有名なセリフが強くて大好きです。
 
 "After all, tomorrow is another day." 
 
 辛すぎること、耐えられない事が全て起きてしまった後でafter allと言っているので、この英語表現にも非常に深みを感じます。
  ヒロイン・スカーレットオハラは南北戦争の時代に生きた人で親、家、子供など大切な人やものを失ってしまいます。その激しすぎる気性からずっと長い間、自分を愛してくれていた人の愛にも気づかず、悪態ばかりついています。
 
 最後にやっと自分を愛してくれていた人のことを自分自身も愛していたと気づいた時には時すでに遅しでした。非常にプライドの高いスカーレットが自分を捨てて去っていこうとする男性に必死にすがりつきながら、愛を乞います。その時言い放たれた言葉がこれ。
 
 "Frankly,my dear,I don't give a damn." 
 
俺には関係ない

 
 damnは「永遠に罰すること、地獄に落とすこと」などの意味を持つ非常に強い言葉で、この映画が上映された当時は「愛する女性に言う言葉にしては強すぎる!あり得ない」と大騒ぎになったそうです。

give a damn〈俗〉気にする、関心を持つ◆通例、否定文で用いる。
・He doesn't give a damn about the environment. : 彼は環境問題に関心がない。
・So what? Who gives a damn? : だから何だよ。誰も気にしねえって。

(英辞郎 on the webより)
 
 戦争や事故によって、親も屋敷も子供も愛する人も、すべてを失ったスカーレット。
 でも最後に彼女は究極の強さを見せます。
 
 ”Tara! Home. I'll go home and I'll think of some way to get him back. After all… tomorrow is another day.”
 
 タラがあるわ!故郷に帰ろう。そして彼が戻ってくる方法を考えればいい。明日は明日の風が吹く


 https://youtu.be/TUDNRU_tv6A
(こちらのビデオでそのシーンが見られます)
 
 スカーレットの状況はあまりにひどすぎて楽観的に「明日があるさ」なんて言えない状況です。それでも前向きに生きるしかないし、きれいごとじゃなくて、どうしようもないから、とにかく強く前向きに進んでいく姿がかっこいい。
  私が最初にこの作品を小説で読み映画で観たのは18歳の頃。スカーレットが自分の愛する男性が自分を裏切って結婚した自分とは正反対のタイプの心優しい女性の出産を戦乱の中、悪態をつきながらも、最後までちゃんと助け切ったその行動力にも度肝抜かれました。こういう口が悪くていい人ぶらないけれど、人ができないようなこともちゃんと行動で、やってのける強い女性、いいですね。(ちょっと性格がきつすぎて周りにいると大変そうなタイプですが)
 彼女が全てを失ったという究極の状況から立ち上がっているので、自分の普段の些細な失敗は本当にちっぽけに見えてきます。私の人生の些細じゃない出来事も少しだけありました。私は阪神淡路大震災で家が査定上、半壊になり、学校に通うのも不自由しましたが、スカーレットに比べたら家があるだけマシと思えました。この時から物欲もほとんどなくなりました。物は、最悪なくなっても元気とポジティブマインドがあれば、また生きていける。それより知識はなくならないし、泥棒にも奪えないから、知識はつけたいと思うようになりました。また福知山線脱線事故では、事故にあった次の電車の2両目ぐらいに乗っていましたが、本当に何かに守られていると思えました。
 こんなに強くたくましい女性がいるんだと私はスカーレットオハラを頭の片隅で意識していて、私の生きるエンジンみたいになっています。(フィクションですが、きっと南北戦争の時には本当にこんな強い人がいたことでしょう。)
 
Koyuki
 
 
 
 
 

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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