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Cafetalk Tutor's Column

KAZU.S 講師のコラム

外国語副作用

2020年3月7日

外国語副作用とは「慣れない外国語を使っている最中は、一時的に、思考力が低下した状態になる」という現象です。
一般的に「母国語以外の言語をを使う事は難しい」と言う事は認知されていますが、「同時に思考力まで低くなる」と言うのは馴染みがないかもしれません。

カフェトークに登録されている方は外国語習得を目的にされている方が多いと思うので参考の1つになればと思い紹介します。

そもそも人が情報の処理をするためには「注意」が必要です。
複雑な情報処理を2つ以上同時に行おうとすると「注意の量」が足りなくなってしまいます。
例えると、初心者の車の運転では助手席の人と会話をするのは難しいが、運転に慣れてくると会話も出来るようになる・・・を想像してくださると好いかと思います。


母語を話す時、情報の処理は「言語処理」「思考」を用い、そして「注意の量」も慣れているので少なくて済みます。一方、外国語の場合は「注意にかける量」が多すぎて「思考」に割くことが出来ずに思考能力が落ちてしまいます。

確かに私自身も「く〇ー日本語で説明出来るのなら彼らに負けないのに!」と言う場面が過去に何回かあり、悔しい思いをしました。「だったら悔しさをバネにして英語堪能になりなさいよ」の声が聞こえてきますが、これがなかなか・・・

それはさておき。
この外国語副作用を知ったら「外国語を話す時は思考力が低くなるから重要な契約時やインタビューには通訳を付けよう」など、失敗を防ぐ対策はとれますよね。
そして、日本語が外国語である人たちにも同じことが起きていると考える必要もあります。
彼らは慣れない言葉を話すことで思考力が落ちている状態なんだという認識は外国人への偏見を防ぐ一助になるからです。


さて、思考力低下にも届かなく全くお手上げ状態の英語学習者の私に起こっていたことをお話ししましょう。
先ず、英語を話そうとすると目の前に「赤い中太の絡まった毛糸玉」が常に現れました。
私は絡まったモノをほぐすのが苦手なことに一つにありまして。
英語を話そうとすると目の前を塞ぐようにもつれた毛糸玉がドンと居座るのです。
イライラするし、ウザイし本当に厄介でした。

それが慣れてくるに従って毛糸が小さくなり目の前を塞がなくなってきて、そして終いにはリボンになり消えてなくなりました。めでたしめでたし!

日常生活の中で慣れていない事を行うときに、「苦手が画像で現れ、慣れるに従ってその画像も成長する」ことが起こるやもしれません。
気が付いたら観察してみると面白いかと思います。


参考文献
『認知心理学概論』高野陽太郎著

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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