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Cafetalk Tutor's Column

中村勇太 講師のコラム

目隠し練習

2020年4月20日





練習するとき...皆さん何を見ていますか?

まず楽譜を読みますね。

拍子、音程やリズム、音価、休符、臨時記号、指番号、指示記号...

 

もちろん本番でも、新しい発見のために、楽譜を見ることがあります。

 

しかし、少なくとも一括りの場所は頭に入っていないといけません。

いま弾いている場所を読んでいたら遅いんですね。

脳の指示があって初めて体は動きます。つまり、今弾いている箇所の先を見ている、頭の中には少し先のことがある、のが大切です。

 

また、左手の指の動きや、右手の弓の配分は譜読みの段階で覚え込む部分です。そのとき、単に音程とリズムだけではなくて、指示にしたがって、あるいはイメージをもって、自分の理想の音色を出そうと努めると、技術もより一層研ぐことができると思います。(その場で弾き方を即興的に変えられるセンスも大切だと思いますが)

 

特に本番は左手を見ながら弾いている場合ではありません。

もちろん神経質になる箇所もありますが、できれば指同士の距離の感触で指板上の位置関係は把握できるべきでしょう。

その曲と出会った最初は見てもいいと思いますが、最後仲良くなった後は見ません...というより見なくても弾けないといけません。

 

一つ、僕自身が心がけている練習があります。

それは真っ暗なところで弾いてみたり、目隠しをして弾いてみることです。

 

通して暗譜する時はもちろん、部分的な練習でも試します。

 

どんな状況でも弾けるために、ということ。

そして、視覚が塞がれたとき、他の感覚がいつもより開く気がするからです。

 

動画の曲は イザイの「子供の夢」

音色なしに、またこの複雑な音程の変化なしに魅力が出ない。

とことん、こだわりたい曲です。

 

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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