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Cafetalk Tutor's Column

bananafish 講師のコラム

【塾選びをする前に知っておきたいコト。】 第3回:子どもが塾に通っている理由-1

2020年11月4日

「人間関係の構築を学ぶ場所」 

こんにちは。講師のbananafishです。
子どもたちが塾に通っている理由を考えたことがありますか?

塾に通いはじめたきっかけとしては、大きく2種類、生徒自身の意思と親御さんの意思に分かれます。

意外かもしれませんが、自主的に塾に通いたいというきっかけで塾通いをはじめた生徒は少なくありません

生徒が自主的に塾通いをはじめた理由としては、

お友達や兄弟姉妹と一緒に行きたいとか、お友達や兄弟姉妹が行っているからなんとなく、というように「友達関係の構築の延長」となっていることが多いようです。目立ちたがり屋の小学生男子の中には、なんとなくカッコイイからという理由で塾に行きたがる子もいます。生きていく上で、人間関係の構築は大きなテーマです。自らその大切さに気付き、行動している勇気を尊重、応援してあげたいです。

もちろん、勉強が出来るようになりたい!という正統派な理由で通っている生徒もいます。しかし、学習意欲が高いというよりは、兄弟姉妹に負けたくないという競争意識や、親御さんにもっと褒めてもらいたいという承認欲求の現れである傾向もあります。どちらも、人間関係の構築において無視できない感情ですが、こういうケースでは、相性の良い先生に出会えれば、力を伸ばせる可能性は計り知れません。一方、家族に対するプレッシャーと相性の悪い先生との板挟みで辛い思いをするリスクも秘めています。既にお子さんが塾に通っている場合には、塾の先生との関係性を改めて気にかけてあげることも必要です。

このように、自分から進んで塾を選ぶ子もいますが、圧倒的に多いのは親御さんの意向です。そして、親御さんが塾に通わせたい理由の根本は、もっと勉強して欲しいという一言に尽きるのでしょう。

「人間関係の構築を学ぶ場所」

当然、親御さんの観点では、塾は「勉強する場所」というのが大前提です。しかし、子どもたちの世界では、塾が「勉強する場所」であることよりも、家庭、学校に次ぐ、新しい「人間関係の構築を学ぶ場所」であることの方が重要なのかもしれません。そこで、塾の「人間関係の構築を学ぶ場所」という役割に注目します。

塾といっても、個別指導、少人数制、講義型と様々ですが、いずれの場合にも、土台となる「塾」と「家庭」の関係性をどのように構築するかが、「塾」というシステム利用料のコストパフォーマンスに影響することに変わりはありません。

世の中の大多数は「勉強する場所」としての塾というシステムを「学校では不足する領域に対して、家庭で出来ないことを補ってくれる場所」であるという認識をしています。そして、塾通いのきっかけが何であれ、生徒たちにとっての学習に関する塾の役割は、「学校で習っていない新しいことを習う場所」というよりは「学校でわからないことを、教えてくれる場所」という受け身の気持ちの方が強い傾向があるようです。このように「塾」が主体となり「家庭」、「生徒」は受け身となる関係性では、本当に「家庭」が必要としていることを「塾」から引き出すことが難しく、残念ながら、「塾」に都合よく利用されてしまったり、「塾」の方針に振り回されてしまったりという結果になってしまいがちです。

まずは、学校というシステムでは不足する領域に対して、「学習塾」を活用して補っているというスタンスをとることで、「家庭」が主体となり、お子さんにとって本当に必要なことをしてもらうことで、「学習塾」というシステムのコストパフォーマンスアップにつなげていきたいです。

その上で、お子さんの人生の中で、学校の勉強よりも、入学試験よりも、何よりも難しいかもしれない人間関係の構築を実践する場所として、どんな場所がふさわしいのかを塾選びの材料の一つに加えて頂きたいと思います。

塾選びをする前に、
学習塾に具体的に何を求めているのかを明確にすること。そして、新しい人間関係が生まれる場所を増やす前に、今の人間関係の中で、お子さんがどのような状況でいるのかを観察し、どのような場所であれば、良い人間関係を構築することが出来るのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか?

学習塾における人間関係については、後日、改めて取り上げます!

では、次回もお楽しみに!

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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