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Cafetalk Tutor's Column

Yuka Saeki 講師のコラム

英語の「品詞」を区別する

2020年11月13日

TOEICのPart5や英検の作文対策に取り組む中で、「品詞を正しく使い分けるのが苦手」と気づかれる方、決して少なくないと思います。

今日は、品詞を区別できるようになるためのコツをお話します。

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まず、品詞の正誤を母国語である日本語に置き換えて比較すると分かりやすいでしょう。


◎美しい花 (形容詞)

×美しく花  (副詞)

×美しさ花  (名詞)


◎面白い記事 (形容詞)

×面白く記事  (副詞)

×面白さ記事  (名詞)


日本語を母国語とする私達には、あまりに簡単な問題ですが、日本語学習者は、どう感じているでしょうか。きっと多くの学習者が、「品詞は簡単とは言えない」と感じているはずです。

もし、日本語学習者から「日本語で品詞を正しく使えるようになるには、どんな風に勉強したら良いですか」と聞かれたら、皆さんはどのように答えますか。

この質問に対する答えが、英語に置き換えた場合も「正解」でしょう。私のアドバイスも、きっと皆さんの答えと同じです。私からのアドバイスは次の三点です。


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①「品詞はこれで大丈夫かな?」と思ったら、その都度、辞書で確認する。


これをひたすら繰り返す。私は、馴染みのない単語に対しては、今も辞書で小まめに確認しています。

また、電子辞書がなかった時代、紙の辞書を使っていた頃は、検索した単語の前後にある単語(別の品詞)も必ずざっと目を通していました。

今の時代でも、日本の高校一、二年生に紙の辞書を指定または推奨している高校が多い理由のひとつだと思います。学校の先生方は、「紙の辞書で検索した単語の他の品詞、用法、熟語をまとめて確認することの効果」を良く知っているのです。(電子辞書は一画面で数種類の品詞を同時に確認しにくい)


②沢山読み、聞く。

私たちが日本語をそうして習得したように、英語でも同じ環境を作ります。英語をシャワーのように浴びながら、正しいパターンを意識せずに吸収していきます。

触れるのは、学習教材や講師とのレッスンに限らず、気に入った映画やドラマを飽きるまで繰り返し観る、気になるネット記事やお気に入りの洋書を納得するまで繰り返し読むのも良いでしょう。繰り返す時は、「流す」感じで充分です。

言語習得の世界では、これを「暗示的学習」と呼びます。

③ルールをある程度、頭で理解する 

例:

形容詞important、significant

名詞:importance, significance

-tで終わる形容詞の語尾を-ceに変えると名詞になる 

こうしたルールを最初に頭で理解して覚える学習者もいれば、まず感覚的につかむ学習者もいます。私は後者で、今のように解説しながら「そういえば、ちゃんとルールがあるなぁ」と理解する程度の力ですが、①②の積み重ねにより頻出単語に関しては母国語感覚に近づき、間違えることは少なくなりました。

ルールを覚えるための教材があれば便利ですが、日本語に比べて、英語の品詞の形の変化は実に多様で、それに特化した教材は少ないと思われます。

市販の英検や大学入試対策の頻出単語本等で、品詞が記載されている補足欄を小まめに確認するのが、教材を使った無難な方法と言えます。

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以上三点、ありきたりのアドバイスですが、この掛け合わせがベストと思います。

積み重ねが必要ですが、品詞は一度習得できれば、その後は忘れにくいですよ。三年先、五年先を楽しみにして根気よく続けていきましょう。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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