「見えないモノを見ようとして望遠鏡を覗き込んだ歌」でお馴染みのあの方々の楽曲は、
一部で歌詞が中二病と揶揄されているんだそうです。
しかし、中二病と言えば、中二病界の巨匠・村上春樹を忘れてはいけません。
私は村上春樹のエッセイや初期の頃の小説が好きです。
ウイスキー飲んでジャズ聴いて年上の女と付き合っている友達のいない「僕」の話を読んでは
「なるほど分からん」
と思いつつもなぜかやめられない止まらない。麻薬?
韓国の企業で社内ニートをしていた頃、『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』を読んでいたら
知らない社員に「面白いですか?韓国語版はまだ出ていないので日本語で先に読めて羨ましいです・・・」と
声をかけられた思い出(?)は忘れられません。
「なるほど、日本語ができるということは村上春樹の新刊を世界で一番最初に読めるということなのか」
と思わず膝を叩いたものです。
また別の場所では、なかなか重篤な덕후のコリアンboyが
「日本で声優になりたい。でも自分は日本語ネイティブじゃないから難しい。日本語ネイティブが羨ましい」
と言っているのを聞いて「なるほど」againでした。
そんな「天体観測」の歌い手さんたちも霞む中二病の村上春樹ですが、そのハルキ덕후による最高に面白いエッセイを読みました。
それが『아무튼 하루키』。
村上春樹が好きすぎるあまり大学は日文学科に進学し、
日本に留学した韓国人女性によるエッセイです。
ここ最近読んだ韓国の本がどれもこれもくだらなくて倦んでいた中での救世主。
村上春樹の作品とそれと関連付けて綴られるエピソードが最&高に面白く、
特に外国語を勉強した経験がある人・留学経験のある人にはかなり刺さると思います。
「外国で異邦人として生きること」は共感しまくりで読みながらずっと叫びました。
村上春樹読んだことなくても、「村上春樹=中2気味」くらいの知識があれば楽しめます。(多分)
著者は近年の春樹作品は별로のようなので、逆にガチハルキストはイラッとするかも。注意されたし。
この아무튼シリーズ、他にも아무튼ビーガンとか아무튼ゲストハウスとか色々あって、
各マニアの方によるエッセイが楽しめます。私はとりあえず아무튼春樹と아무튼外国語を持っていますが、
全シリーズ読破という新たな目標が生まれた今日この頃です。
<最後に無理やり天体観測に関する思い出>
・子供の頃天塩のキャンプ場で見た天の川が人生で一番きれいな星空だった
・アメリカのグリフィス天文台の前まで行って、「そういや自分、星とか何の興味もないわ」と思い出して天文台入らずに帰った