今や日本にもファンの多い韓国の치킨[チキン]。揚げたてサクサクのフライドチキンに、かの有名な양념치킨[ヤンニョムチキン]、棒に刺さった丸鶏をクルクル回しながらキッチンカーでやって来たおじさんが、団地の前で食いしん坊を待ち構えている통닭구이[トンダククイ](鶏の丸焼き)。ソウルで一人暮らしの貧乏留学生をしていた頃、むしょうに통닭구이[トンダククイ]が食べたくなったが丸々1羽はちょっとなあ……メニューにはないけどダメもとで聞いてみたら、반마리[パンマリ](半羽)売ってくれた優しいおじさん。思い出します^^
世界中にあるカーネルおじさんのお店ですが、もちろん韓国にもあります。韓国ならではのサービスとしては、チキンを注文する時に常時オリジナルか辛い味が選べることでしょうか。確かオリジナル何本、辛い味何本という風に、ミックスもできたはず。このシステムは、日本のカーネルおじさんにも見習ってほしいところです。ちなみに、韓国人は普通カーネルおじさんのお店のことを、케이에프시[ケイエプシ](KFC)と呼びますよ。
韓国人は、チキンに限らず鶏肉料理が大好きな民族です。それだけに、色々とこだわりも強いようです。例えば、私なんかはお肉を食べる時に骨付きは面倒くさいと思ってしまうタチなので、カーネルおじさんのお店では骨なしチキンを注文してしまうこともしばしば。でも、韓国人はチキンにしろカルビにしろ骨付きが、それも骨にくっ付いている部分ほどおいしいと考えるらしいのです。なので、韓国の人達は、骨に全くお肉が残っていない状態まできれ~いに食べるのが本当に上手です。見事としか言いようがありません!!私はヘタ過ぎていつも韓国人夫にしかられてばかりです^^;そもそも韓国では、日本のような骨なしの鶏肉はほとんど手に入らず、丸鶏を買って調理するしかありませんから当然と言えば当然ですね。
それから、韓国の人達と一緒に鶏肉を食べる際は、「もも肉」には我先にと手を伸ばしてはいけません(?!)。目上の方や大切な人に譲って、いや、差しだして(?)ください。恐らく韓国の人達は、もも肉が最もおいしい部位と認識しているのでしょう。その場にいる重要人物に食べる権利が与えられるようです。家庭ではおじいちゃんやお父さんあるいは長男に、その特権が与えられます。ドラマにもそんなシーンがよくでてきますし、私自身も無意識にもも肉に手を出したばっかりに、夫にこっぴどくしかられたことがあります(いつもしかられてばかりのような^^;)。夫は長男である上にお父さんを早くに亡くしているので、小さい頃からずっと「もも肉特権者」だったそうで……。それ以来私は絶対にもも肉には手を出しませんが、夫が自分は食べずに私のお皿にそっと載せてくれます^^
あ~、クリスマスも近づいた今日この頃、何だかチキンが食べたくなってきましたね!