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Cafetalk Tutor's Column

Yukiko.T 講師のコラム

「豆腐」のナゾ

2021年1月8日

皆さん、2003年に公開された映画『살인의 추억[サリネチュオク](邦題:殺人の追憶)』をご存じでしょうか。2019年に公開され世界中で話題になった『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督の作品で、実在の事件がモチーフと言われています。これは、80年代後半に起きた「華城連続殺人事件」という未解決事件で、ドラマ『シグナル』・『愛の迷宮-トンネル-』等、多くの作品のモチーフにもなっていますので、皆さんもご覧になったことがあるかも知れませんね。さて、長らく未解決事件として韓国の人々を震撼させてきた「華城連続殺人事件」ですが、2019年に、別の事件で収監中の男のDNAと一部の犯行現場で発見されたDNAが一致したとのことです。事件当時に比べて、DNA鑑定の精度が格段にアップしたからなのでしょう。完全解決の日も近いのかも知れません。
 ということで、私、無類のサスペンス好きなもので、ついつい力が入ってしまいました……。お許しを^^;今回は、ドラマ・映画を観る時に役立ちそうな表現をご紹介しようとしていたのでした~!韓国ドラマ・映画には、やたらと警察の留置場や刑務所から出てくるシーンが登場すると思いませんか。そして、出迎える人が必ず豆腐を持参して、釈放された人にその場で食べさせます。なぜ「豆腐」なのか……?諸説ありますが、豆腐の真っ白な色が純粋できれいな心を象徴しているのです。二度と悪いことをして心を汚さないようにという、一種の厄払いの儀式のようなものなのでしょう。また、俗語で刑務所に服役することを「콩밥을 먹다[コンバブルモクタ](豆ごはんを食べる)」と言うのですが、一度豆腐を作ってしまったら原料の大豆には二度と戻せないところから、二度と刑務所には戻るなという意味もあるそうです。なぜ服役生活を「豆ごはんを食べる」と言うのかというと、以前は刑務所では豆ごはんを食べていたからなんだそうですよ。現在は麦ごはんに変わっているとか……^^日本で言うところの「臭い飯を食う」に当たる表現でしょうか。ちなみに、日本で留置場を「ブタ箱」と呼ぶように、韓国では刑務所のことを「학교[ハクキョ](学校)」等々の俗語で呼びますよ。
 刑務所が舞台の映画と言えば、『7번방의 선물[チルボンバンエソンムル](邦題:7番房の奇跡)』が最高でした。子役が激カワで、演技力がすごすぎて泣きに泣きました(韓国の芦田愛菜か~!?)。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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