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Cafetalk Tutor's Column

Alberto 講師のコラム

【語源で覚えるイタリア語単語】ippo-「馬」

2021年1月15日


ippo-という接頭辞は、古代ギリシャ語 ἵππος hippos が語源で「馬」という意味です。

今回は、ippo-に関わるイタリア語の単語を見ていきましょう。

 


ippopotamo [] () カバ

 

ippopotamo =ἵππος hippos (cavallo) +ποταμός potamos (fiume)

 

動物のカバは、漢字でも河馬と書きますが、

「馬」+「川」=「川にいる馬」→「カバ」、というわけです。



ippodromo[] () 競馬場

 

ippodromo =  ἵππος hippos (cavallo) + δρόμος dromos (luogo dove si corre)

 

「馬」+「走る場所」 =「競馬場」



ippocampo[] () 海馬

1 ヒッポカンポス、海馬(ギリシャ神話に登場する、海神ポセイドンが乗る車を引く上半身が馬で下半身が魚の海の怪物)

2 タツノオトシゴ 

3 海馬(大脳の側頭葉にある神経構造)

 

ippocampo =  ἵππος hippos (cavallo) + κάμπη campo (bruco, animale ricurvo)

 

「馬」+「芋虫、腰の曲がった動物」「海の怪物」

 

「海馬」とは元来、ギリシャ神話に登場する海神ポセイドンが乗る馬車をひく幻獣ヒッポカンポスのことですが、そこから連想されタツノオトシゴの学名に引用されるようになりました。タツノオトシゴは、イタリア語で、cavalluccio marino とも言います。また、記憶を司る脳の部位を表す医学用語「海馬」は、その断面がタツノオトシゴに似ていることから、そう呼ばれるようになりました。

 

 

Filippo[] フィリッポ(男子の名)

 

Filippo = φιλος philos (amico, amante) + ἵππος hippos (cavallo)

 

この単語においては ippoは接頭辞ではありませんが、フィリッポという名前には、その語源「~を愛する者」+「馬」から、「馬を愛する者」という意味があります。

 

 

余談になりますが、最初に紹介した「カバ」という単語には、一見関連のなさそうな単語、メソポタミア文明の「メソポタミア」と共通点があります。それは一体何でしょう?

 

メソポタミアはチグリス川(il Tigri)とユーフラテス川(l’Eufrate)に挟まれた地域ですが、ギリシャ語の語源は、

 

mesopotamia =μέσος mésos (centrale, che sta in mezzo) +ποταμός potamos (fiume) + <suffiso>-ia (terra)

 

 

「中央、間」+「川」+「土地(接尾辞)」で、メソポタミアは文字通り「川の間の土地」という意味です。

 

ということで、二つの単語は同じ語源を持っていたんですね。
カバとメソポタミアは「川」つながりでした!

 

 

イタリア語の語源の面白さに触れれば、イタリア語学習がより楽しくなること間違いなし!

 

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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