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Cafetalk Tutor's Column

Noritalia 講師のコラム

イタリア語のアウトプットについて考える

2021年5月12日


皆さん、初めまして。新しく登録致しましたイタリア語講師のNoritaliaです。
中部イタリアのアドリア海沿いの田舎、秋にはトリュフの匂いがする山の近くに住んでおります。

どうぞよろしくお願いいたします。

さて、第一回目はイタリア語のアウトプットについて考えてみたいと思います。
私のイタリア語歴は長く、大学生の頃から他の学生が一番後ろの席から座っていくのに対し、私だけ教室の一番前、一番真ん中の席で勉強するような生徒でした(先生も視線が刺さって嫌だった事でしょう)。

イタリア語辞典も作られた某先生が講師だったので、授業の中身はイタリア文学ばかり。単語を調べては語彙を充実させることはできましたが、会話は全くダメ。

その後イタリア語教室に何年も通い、イタリア人の先生と勉強してもやはりアウトプットは私にとって一番苦手な部分でした。どうしても日本語で考えてしまうのです。話している内容はわかるんだけど、話せない、スピードについていけない。

それもそうです。日本ではラジオやネットでイタリア語を聞く機会は十分にありますが、イタリア語を話す機会がない。どんどん話す機会を増やすしか方法はない。

そのままイタリアに渡り、現地でイタリア語教室に通いました。しかし間違ってもどんどん話せる子を尻目に、私はどうしてもそこからのステップアップができませんでした。

大学・大学院でのイタリア語文法でガチガチになっていたのが仇となったのです。

そんな時、転機が訪れたのはアドリア海のリミニで語学学校に通っていた時の先生と出会った時でした。
どんどん話させる先生でした。「fareの遠過去」「nascereの遠過去」「andareの先立未来」など、間髪入れず指示が飛んできて、考えずにポンポン答えなければいけなかったのです。

その先生のおかげで、今までのポイントから抜け出すことができましたが、それも少し抜け出せただけで、そこから同じような経験を少しづつ積み重ねて、やっと自分の思考をイタリア語にして言葉にすることができるようになりました。

アウトプットは、やはりたくさん話すことと怖がらないこと、なんでも口に出してみること。それに尽きると思います。

イタリアに住んでいると、なんでも口に出さないと損をする場面がいくつかあります(郵便局の順番待ちとか)。日本では黙っていてもキチンと物事が運ぶので、声を上げる必要がない、というのもアウトプットが難しい原因なのかもしれません。

私の授業では、生徒さんにアウトプットをしていただく時間を設けるようにしています。音読でも構いません。口や舌、顔の筋肉、呼吸などをイタリア式に変える必要があるのです。その変化が感じられると、イタリア語の学習がもっともっと楽しいものになると思います!

レッスンで皆さんとお会いできるのを楽しみにしております。
もしよければプロフィールをご覧くださいね。 

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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