男性が、自分の妻のことを自分以外の人に言うとき、「奥さん」を使う人が多くなりました。
私が生徒のみなさんに日本語のレッスンをしているときも、
例えば「私の奥さんは出かけています」「私の奥さんは学校の先生です」などというふうに言う人が、非常に
多いです。
これは、まだ「妻」が正しく、「私の妻(つま)は、出かけています」「私の妻は学校の先生です」となりま
す。
日本人も若い世代の既婚者の男性は「私の奥さんは・・・」をよく使っています。
日本人が使っているのであれば、日本語学習者の皆さんが使うのは当たり前ですね。
私の男性既婚者の生徒で、自分の奥さんのことを言及した際に、「私の妻は・・・・」と言った人は、ひとり
だけです。
あとは、ほとんど「私の奥さんは・・・」です。ちょっと違和感がありますね。
「私の妻は・・・」と言った生徒に、「〇〇さんは、私の奥さんと言わずに、私の妻と言いました。よく勉強
していますね」といったところ、「日本語の先生から以前、教えてもらいました」と言いました。
きちんと間違いを指摘し、正しい日本語を教えた先生も素晴らしいし、それを忘れず使っている生徒も素晴ら
しいと思います。
「日本語学習者が、日本語を間違ったら直す」
当たり前のことですが、当たり前のことが当たり前にできていないのも事実です。
私も「その場合は、奥さんではなく妻ですよ」と教えています。
自分の奥さんのことを言うときは「妻」、相手、第二者第三者のときは、「奥さん、奥様」といいます。
日本語学習者のみなさん、覚えてください。
ただ、日本語は、時代とともに変わっていきます。(他の言語もそうですが)
事実、「私の奥さんは・・・・」を使う日本人がかなり増えています。
ですから、数年後数十年後は、「私の奥さん」は正しいと文科省も認めるかもしれません。
日本語の先生は、今はまだ「私の奥さんは…」に抵抗があると思います。
日本語の先生は、こういう場合は、まだ「奥さん」ではなく、「妻」を使うように教えるべきではないかと思
います。
昔はダメでしたが、今はOKという例としていろいろあります。
「ぜんぜん」は否定語と結びつきますが、今は肯定語と結びついてもほとんど認められています。
「ぜんぜんおもしろくない」〇「ぜんぜんおもしろい」〇
ただ、日本語の先生、日本のビジネスマナーの先生は違和感がある人も多いでしょう。
「よろしくお願いいたします」は〇、「宜しくお願い致します。」は×。
ただし、会社などの書類等では、「宜しくお願い致します」が増えています。
これは、過渡期でしょうか。
「とんでもございません」×➡「とんでもないです」〇「とんでもないことでございます」〇
ですが、
平成19年文科省敬語の指針で「とんでもございません」は、OKとなっています。
(ビジネスマナーを教える立場の人でも知らない人がいます)
ビジネスマナーの先生が「とんでもございません」は、間違いですと言うのは、気持ちはわかりますが、
よく勉強しているビジネスマナーの先生、日本語教師はもう既にOKになっていることを知っています。
日本語を勉強している生徒のみなさん
迷うかもしれませんが、正しい日本語を勉強し、正しい日本語を流暢に話せるようになりましょう。
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