Don't think! Feeeeel!:訳すな、感じろ!

ARI T.

どうも!イタリア語ペラペラ応援団団長のARI T.です!
言わずと知れた「燃えよドラゴン」の名台詞。
え? ご存じない?
実は私もこの映画を見たことはありません、えへへ。


海外ドラマが大好きで、もう鬼のように日々見て過ごしているのですが、
この映画のこの台詞、ものすごくよく出てきます。
ですからこの映画のブルースリーのセリフである、ということは知っていたのですが、
最近、よく思い出すんですよ、この台詞を。




私はちょっとアレンジしてこんなふうに言っています
「訳すな、感じろ!」とw

あのね〜、ほんとの話、頭の中で日本語から、もしくは日本語に訳しちゃダメなんです。
それから、訳すような練習問題もお勧めしません。
ペラペラへの道のりの邪魔になります。
だいいち、イタリア人みたいにお喋りな人たちとの会話、それじゃ太刀打ちできませんw

はっきり言っちゃいますとですね、
「外国語を日本語に訳す、またはその逆」とういのは、
我々プロの通訳者にとってもハードな作業なのです。
めっちゃエネルギーを使うのでぐったり疲れます。
外国語が話せるのとは全く別の能力&技術が必要なんです。
瞬時に適切な言葉をチョイスして別の言語に訳すのにははそれなりの経験も必要。
だから決して安くはない報酬をいただけるのです。

みなさん、そんな難しい作業を頭の中でやるのですか?
1円ももらわないで?
私だったらいますぐ止めます!

むろん、大人の外国語学習には母国語を介在させた方が効率的。
初心者のうちは知らない単語ばかりですから
私のレッスンでもテキストの文章を日本語に訳して説明します。
「ちゃんと理解できているかな?」と不安がある場合はざっくり訳してみてもらうこともあります。
これはいいんです。
だけどね、その時すでに「イメージ力」を使うことが重要です。
essere = be動詞 =「〇〇は〜です」
と言葉だけを覚えてもだめなのですよ。
いや、だめじゃない。
「だめ」は言い過ぎ。
だめじゃないんだけれど、足りない。

essereという動詞の概念を理解することが大事なんです。
(essreはあくまでも一例です)
外国語には、日本語にばっちりはまる訳語がある単語もあるけど、
そうじゃない単語もあります。
単に「言葉」だけで覚えようとするとかえって大変です。
例えばessereの見出し語を引くと、丸々1ページプラス少しにわたり22の意味や用法の記載があるんです。
この「訳語」を頭に入れるよりも、一度このページをじっくり読んで
「なるほど〜、イタリア人にとってessereってそういう概念なのね」と理解してしまった方が早いし、
使えます。


さすがに全ての動詞でこれをやるのは無理でしょうが、
(私も当然やっていません(汗)
要は、訳語を覚えるのを超えて、その国の人にとってのその言葉の概念を理解したらいいよ、とういことです。
一度これをやってしまえば、頭の中で言葉を訳して理解するという無駄なステップを踏まずにすみます。

「訳す」ことが絶対悪だと言いたいのではないんです。
ただね、
ある程度以上勉強が進んだ後、
いつまでも外国語に日本語を持ち込み考えていると、
ペラペラへの妨げになるよ、と言いたいのです。
ペラペラ目指していなければ何の問題もないのですが、
日本語を、言葉を直訳することで通じると信じている人が多いのは、
ずっとそういう学習を続けているからなのかな?
どうなんでしょうね?

言葉は文化です。
文化が違う国の言葉は、異なる文化、異なる発想で成り立っています。
外国語を学ぶということは、言語の成り立ちに大きく関与しているその文化を学ぶということです。
そこら辺の考え方を変えると、すこし外国語の勉強方法や気の持ち方が変わるんじゃないかな?
と思う今日この頃です。

訳すな、感じろ!というお話でした♪

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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