センターリサーチA判定で落ちる要素がどこにもなかった。
受かった地方国立大学の試験が簡単で呆気なく進学が決定した。
問題はここだった。試験が簡単すぎたのだ。
私は高1から化学だけは真面目に取り組み、
有機化学は東大・京大の過去問も解いていた。
二次試験があまりにも簡単で
「こんな問題を出す大学で勉強したくない!」と思ってしまったのだ。
前期に出願したのは高3夏、担任に「無理だよ」と言われた大学。
本当に行きたいかと聞かれたら答えは断然ノー。
学力無視したらオープンキャンパスで感動した筑波大学に行きたかった。
私は前期の合格を蹴って浪人したいと言った。
前期合格を辞退なんて非難轟々である。
担任の先生、両親、友達、みんな反対した。特に担任の先生は猛反対。
周りの誰にも理解されなかった。
でも、一度付いたイメージは消すことができない。
アパート探しも終わり書類手続きだけ、という段階まで引きずってしまった。
「本当にこれで良いのか?」
「大学に進学して、順調に就職、結婚して人生を終えとき、満足って言えるだろうか?」
「この選択を一生後悔するんじゃないか?」
モヤモヤはどんどん濃くなっていく。
合格手続きの期限当日、私は大学にいなかった。
曇り空の中、高校の中庭で一人背の高い木を眺める。
「これで後戻りできなくなったな」
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