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Cafetalk Tutor's Column

Ichiro 講師のコラム

きりたくも有り切度(きりたく)もなし

2022年11月27日

中世には、俳諧(滑稽)の連歌が、さかんに行われた。
「新鮮犬筑波集」では、この前句ひとつに対して、有名な「ぬす人をとらへてみればわが子なり」など三句の付句がつけてある。
松永提督は、「あぶらかす」の中で同じ前句について二十一通りの付句を付している。
その中のいくつかをあげる。

           きりたくも有り切度もなし

  戒の師もみるに心のみだれ髪

児(ちご)が得度するとき、戒師がいたいけな黒髪を惜しんで、ためらっている。

  かひ所かくには爪もたからにて

かゆい所をかくのに、爪を切っていたらかけない。

                などなど。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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