ある朝、突然アカネから電話がかかってきて何事かと思って出たら、
「今日私誕生日なんだ」
と言う。
ポカンとする私。
「そっか。おめでとう」
小一時間話してかなり疲れた。
起きたばっかりでまだ身支度もしていない。
急いで大学に向かい講義を受けた。
それからすぐ、彼女が私のアパートに来るという。
学園祭が近かったので一緒に大学を見ようと言う話をした。
しかし、そのとき卒業できない焦りで精神的に脆くなっていた。
私に何かあったらアカネが心配だからじっくり話そう。
場合によっては別れよう。
決意が固まると行動は早かった。
学園祭の休みを利用して地元に帰り、
アカネを公園に呼び出した。
「もしかして別れ話?」
アカネから言われてハッとした。
女の勘は鋭い。
そこから私は自分のことは話さずに別れ話を切り出した。
嘸かし身勝手な奴だと思われただろう。
女心と秋の空。
私は女の人の考えることがわからない。
いや、もしかすると全部わかっているけど、
わかっていないフリをしているのかもしれない。
それがケイスケクオリティ。
それが乙男なのである。