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日本社会におけるイスラモフォビア(イスラム教恐怖症)

Naoko.S

こんにちは。Cafetalk講師のNaoko.Sです。

 わたしはこれまでたくさんの外国人の方に日本語を教えてきましたが、その中にはイスラム教徒の方もいらっしゃいます。私は日本語教師としてイスラム教徒の生徒さんをサポートする中で、日本社会におけるイスラモフォビア、つまり、イスラム教恐怖症のような感情があることに気付きました。

イスラモフォビアという言葉は、2001年のアメリカ同時多発テロ以降、イスラム教やイスラム教徒への嫌悪感や偏見を表す言葉として用いられるようになったと言われています。

 アメリカではイスラム教徒をテロの首謀者と同一視することによって嫌悪感が生じていると思われますが、日本ではそれとは異なる意味で嫌悪感や偏見が存在すると私は思います。

 今日は、私がイスラム教徒の留学生と接する中で感じた「イスラモフォビア」についてお話しします。

 イスラム教徒の留学生も含めた留学生たち数十人を連れて、12日の研修旅行に行ったことがあります。ご存じのようにイスラム教徒の方は宗教上の理由で食べられないものもありますので、宿泊施設やレストランに事前にご相談するのですが、よく配慮して食事を提供してくださる場合もあれば、特別対応は難しいと言われる場合もあります。

 他には、留学生がアルバイト先で「外国人に接客されるのは嫌だ」などとお客さんから言われ、嫌な思いをしたと聞いたことがあります。その学生はイスラム教徒の女性が頭にかぶるヒジャブをしているので、見た目から外国人であるとすぐにわかるから、そのために不利益を受けることがあると感じているようでした。

 ハラルフードと言われるイスラム教徒の人が食べられる食材が日本ではなかなか手に入りにくいといった不便さだけでなく、一部の日本人の意識の中に「イスラモフォビア」と言われるようなイスラム教の方々を理解しにくい気持ち、受け入れにくい気持ちがあるのではないかとわたしは感じました。

 もちろん日本人のすべての人がそのような偏見を持っているわけではありませんし、日本に来てくださるイスラム教徒の方々が皆さんこのような嫌な思いをしていらっしゃるかどうかは私にはわかりません。ただ、私はこれまでの留学生との交流の経験から、日本社会の中にまだまだイスラム教徒の方々に対する不理解、不寛容が存在するのではないかと問い続けたいと思っています。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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