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Cafetalk Tutor's Column

anegawa 講師のコラム

アクセントが弱くなり極めてソフト日本語を話すようになった台湾人の生徒(N2)の話

2024年3月21日

昨日レッスンをした生徒は中国語母語話者の台湾の生徒でしたが、


アクセントを弱める練習をして非常にソフトな日本語になりました。


急にアクセントがよくなった気がします。(実際には急ではなくレッスンの積み重ねが結果として昨日感じら


れたということでしょうか。)


その生徒はちょうど1年前N4のとき、私のレッスンを初めて受けました。


(私は、N4N5および初級の生徒のレッスンはしていませんが、このときはN4のわりに会話ができるので


その後もレッスンはを受けました。)


ほぼ毎週、1回60分レッスンを受け、昨日でレッスン46回目でした。




最初のころは「少し話すスピードは遅いですが、N4にしてはかなり会話ができる、しかも正確な日本語を話


す」という印象でした。


話す正確さはそのときからN2の初期のレベルでした。


こちらがひねった日本語で質問しても正確に答えていたのが印象的でした。


本人に聞きますとオンラインレッスンで会話を練習し自分も日本語の勉強をしていたそうで


かなり勉強熱心です。いつも笑顔で感じのいい生徒です。




去年の12月にはJLPTのN2の試験を受け合格しています。


私はN3の試験を勧めましたが
本人は自信があったようで


N3ではなくいきなりN2を受け、見事合格です。



私はJLPTは教えていませんので、これは生徒本人の努力が100%でしょう。





N2に合格したのでその後アクセントを弱める練習を少しずつ始めました



私のレッスンは60分レッスンですが、70分80分90分なるときもあります。(両者合意のもと)




アクセントを弱める練習は、中国語母語話者には特に有効です。


ここで言うアクセントは「高低アクセント」のことではありません。


「高低アクセントは」単語レベルか文節れべるなのであまり意味がないと思います。



私はアナウンサーのyou tubeからヒントを得てアクセントとイントネーションをセット


独自の方法
で教えています。時間もある程度かかりますが真面目に練習する生徒は効果を上げています。



発音というよりアクセントでは、「か行、が行、た行、だ行、ば行などの破裂音(一部破擦音)、および

「あ」の段の音を弱くする」練習です。単音でも難しいですがこれらが連続する場合、「ん」が入っている場

合も難しいです。


特にが行の「が」が一番アクセントが強くて濁音ですので修正が難しいです。


ただ、過去に一人だけ1回で「が」を修正で来た生徒がいます。(数百人中一人です)


普通は20~30回(1レッスン10分として)は、かかります。


できない生徒も当然います。




発音を教える先生は「リピートアフターミー」だけの先生がいますが、



これでは不十分でとても長くかかりま
す。



きちんと口腔断面図を見せて、なぜアクセントが強くなるのか、どうしてアクセントが強くなるのか、


舌がどこに来た
ときにアクセントが強くなるのか弱くなるのかなどを説明し、また日本語のどの音が強いのか


弱いのかを教え
ないと中国語母語話者のアクセントは弱くなりません。


逆に言うと、これを一定期間やれば、確実に中国語母語話者のアクセントは早く改善します。






昨日レッスンしたこの生徒は、まだこの説明をしていませんが、次説明するつもりです。


まだ会話を長くするときはアクセントが強くなりますが、


比較的短い文や読解のときは明らかにソフトな日本語に
なっています


今後の課題は日本人と長く話しているときのアクセントを弱めることでしょう。






この生徒は4月から日本の日本語学校で勉強するそうです。


日本語学校ではspeaking(でのアクセント)レベルはあまり上がらないことが多いですが、(もちろん上が


る生徒もいます。)
語彙文法文型他の勉強ではレベルはかなり上がると思います。




日本に何十年いても「外国人ですか」と言われてがっくりきたり怒ったりする中国語母語話者は多いと聞きま


す。実際、私も直接聞いたことが複数回あります。


N1を取っていてもばりばりの中国語式日本語を話す人も極めて多いです。



効果的なアクセントの弱め方を勉強して(1回で十分)、そのあとたくさん練習すれば短期間で中国語母語話


者の強いアクセントかなり改善します確実に改善します



ただ、アクセント練習は単純作業なので1回のレッスンでは5~10分ぐらいが限界です。


でも、やれば必ず短期間でソフトな日本語を話すことができるようになります。




韓国語母語話者はイントネーションと、「ざ」(語頭と語中の破擦音、摩擦音の2種類) 、「ぜ」「つ」


などの発音修正ですが数は少ないです。ですから韓国語母語話者の発音修正は、非常に早いです。



でもかなり日本通の日本語ペラペラの人(政治経済文化問題などを正確な日本語で話す大学の先生レベルの

韓国語母語話者)でも 「つ」が「ちゅ」、「ざ」が「じゃ」、「ぜ」が「じぇ」になる人が

多いです。



こうなると、せっかくの学識がちょっと印象悪く聞こえてしまいます。





今日は非常にまじめで感じがよく日本語のアクセントが極めて上達している生徒を紹介しました。


生徒は真面目な生徒がほとんどです。


一方で逆の生徒もいます。(1%ほど)


たまにしか来ない、すぐ諦める、態度が悪いなど。(ちょっと残念です)


特に態度。こちらも人間ですから、カチンときたことは何十回もありますが、そこはぐっと我慢してオブラー


トな表現で諭します。



ただ、それらの生徒のことを具体的に言って
も書いても、らちがあきません。


上から目線で、荒っぽい、品のない言葉で生徒をばかにするようなことを言ったり書いたりすれば、


それは自分(先生)が低レベルな人間ということになります。



私も一度だけ生徒に「日本語下手ですね」と思わず言ったことがあり、深く反省しています。



先生が生徒を見ているように、生徒も先生を見ています。オンラインのプラットホームでも小学校でも中学校



も高校でも大学でも見ています。






正しい日本語を日本人のようにソフトに話しましょう。






(なお、学習者という言葉は使いません。)

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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