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Cafetalk Tutor's Column

Remi Inari 講師のコラム

ちょっと人工的な季節の感じ方

2024年3月30日

こんにちは!

作曲家で音楽家講師のRemiです。

 

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

日本は年度末で4月からの新生活の準備等々のために、お忙しい方々もいらっしゃるでしょうか?

 

こちらアメリカ北東部のロードアイランドは、気温が0℃近くまで下がる日があったり、雨が続いたりと、まだまだ春は遠く感じる気候です。それでも、四季のある地域なので気の早いタンポポが咲いたり、夏時間が始まり日がどんどん長くなって、着実に春は近づいてきているのだと思います。

 

以前住んでいた地域、オランダやコロラド州やバージニア州ではそれぞれ季節の訪れ方が違うので、日本の四季に慣れ親しんで育った身としては、体や心が対応しきれないことがしばしばありましたが、海外生活も10年になるので、徐々にサバイバルの仕方を覚えてきました。

 

そのひとつが、「自分で季節感を演出していく」ことです。

以前クリスマスツリーについてコラムに少し触れましたが、単にイベントを楽しむためというより、部屋のデコレーションやインテリアには機能的(特にメンタルヘルス)な要素もあると思っているのですが、例えば10月にまだまだ暑くてもハロウィンや秋っぽい飾り付けをしてみたり、今この3月ならまだまだ寒くてもイースターの飾り付けをしてみたりして、「春だよー!」と自分に言い聞かせてみたり…

 

食べ物を旬のものにするのも、とても良い案なのですが、もともと日本ほど食材にバリエーションがあるわけでもないし、スーパーにあるものってそんなに季節によって変わらない…

 

季節ごとのイベントやイメージに合わせた食べ物、例えば夏にはスイカ、秋にはパンプキンパイ、冬にはシュトーレン、みたいに強制的に季節感を出していったりするしかなかったりします。

 

では春はどうするかというと…

 

甘酒を作るようにしてみました!

 

ありがたいことに乾燥米麹がア◯ゾンで買えるので、米麹とお米だけあれば、甘酒が簡単に作れます。

 

甘酒はひなまつりの定番かと思いますが、私が日本で住んでいた地域では、ひなまつりを旧節句の4月に祝う風習があったので、ちょうど今ぐらいの時期に祖母が甘酒を作ってくれました。春休みに乾燥麹をほぐしたり、一緒に作らせてもらったこともありました。

 

祖母は大きな甕(かめ)を使い、温度管理もホットカーペットやコタツを駆使してつくってくれていましたが、私は電気調理器のヨーグルトメーカー機能にお任せして超ラクチンです。

 

作った甘酒は豆乳で割って飲むのがお気に入りです。

ひな人形もないし、桃の花も桜の花もないですが、私にとっては春を感じる味です。

 

こんな風に、自ら強制的に春を感じに行くことが正解かは分かりませんが、音楽だって季節感を演出する大きな要素だったりしますよね。クリスマスソングは言うまでもなく、他にも「夏といえばサザン!」とか、「卒業シーズンはレミオロメン!」とか、みなさんそれぞれにイメージするものがきっとありますよね?

 

人間って、思っているよりもずっと、実際の気候とか、自然の変化以外に頼って季節を楽しんでいるのかもしれません。

 

季節の変わり目に体調を崩しやすくなるというのは、よく言われているかと思いますが、春のような儚く少し不安定な季節には感受性も豊かになる人が多いような気もします。

作曲には良いチャンスかもしれません。笑

 

まさに谷川俊太郎さんの「春に」の ”この気持ちはなんだろう〜” という状態は、気候からくるものなのか、それ以外の人間があとから作った環境の変化や季節感によるものなのか、その両方なのか…どうなんでしょうか。

 

兎にも角にも、みなさま健康で、それぞれの春を楽しめますように!!

 

 

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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