恋文、それは平たく言えばばラブレターのこと。
でも、恋文とラブレターの響(ひびき)きは異(こと)なる。
現代の日本で、恋文という言葉はもう日常ではほとんど聞かない。
恋文は、どこかしっとりと奥ゆかしさを感じる、
どこか懐(なつ)かしさと甘酸っぱさを思い起こさせる響き。
思えば、恋文だろうとラブレターだろうと、デジタル社会の現代では、
そのアナログな手紙自体が、世界共通で廃(すた)れていっているからかもしれない。
でも、私個人はアナログ人間で、この一つの単語だけで、その空気感や
色とビジュアルまでをも連想(れんそう)させる、その感じが大好きである。
それを情緒(じょうちょ)と言っていいのか分からないけれど、
人の人間臭(くさ)さを感じられるのが大好きだ。
今はデジタルで、ビュンビュンと時間の中をサーフィンしている感の時代だが、ただ、昔を懐かしみノスタルジーに浸(ひた)るのではなく、
もっと物事の本質的な所に、人の柔(やわ)らかな部分に触(ふ)れるのが好きなのである。
あ、まただいぶ話が逸(そ)れました(笑)
1000年以上前に詠(よ)まれた、とてもとても有名な詩(うた)があります。
遙(はるか)はるか昔に詠まれ、現代でも人々に残り愛され続けている詩が日本には数多くありますが、この詩は現代で歌となって日本人に愛されて続けています。
その歌は、
「あなたの幸せが、永く永く続きますように」
と、大切な人を想(おも)って歌った恋文。
作者は不明で詠み人知らずの歌ですが、当時の平安貴族(へいあんきぞく)の歌と一緒に、「古今和歌集(こきんわかしゅう)」という歌集にまとめられています。
もう、何の歌か察(さっ)しのいい方はお気付きになったでしょうか?
はい。日本の国家、「君が代」です♪
古来(こらい)日本語では、「き」が男性、「み」は女性を表し
長寿(ちょうじゅ)を祈(いの)り、男女の永遠の絆(きずな)と平和を願って歌った恋の歌、
という解釈(かいしゃく)もあるそうです。
君が代は、1000年以上昔の、名もない一般人が恋文として詠んだ歌です。
うーん、何だかとってもロマンチックではないですか?(*´꒳`*)
その昔、短いし何だか地味でつまらない国歌だなぁ…と
音楽的にもっと盛り上がりのある他国の歌を羨(うらや)ましく聞いていた子供でした(笑)
でも、恋の歌が国歌なんて、なんてロマンチックなんだろう♪♪
と、大人になってからは歴史も相(あい)まって大好きになりました。
確かに音楽的には、仰々(ぎょうぎょう)しい感じが否(いな)めませんが、
雅楽(ががく-日本の古典音楽)には、現代音楽にはない純正律(じゅんせいりつ)の響きがあり、その雅楽がベースとなって詩に音楽が作られ「君が代」の歌になりました。
もし機会があれば、
次回君が代を耳にした際は、ぜひ遥か昔の平安時代に想いを馳(は)せながら
この恋文を味わってみてくださいね❤︎
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