先日、生徒さんが、新しい日本語の勉強方法を教えてくれました。
彼は、NHKの英会話テキストに出てくる英語の文を、
自分の言葉で日本語に訳しているそうです。
テキストには、もちろん日本語訳も書いてあります。
でも、それを見ないで、「自分だったら日本語でどう言うかな?」と考えて訳します。
これは、とてもいい勉強方法だと思いました。
日本語の教科書に出てくる会話は、実際の会話に近づけて作られています。
でも、私たちが友達と話す日本語とは、少し違います。
英会話のテキストも、きっと同じなのでしょう。
以前から彼は、「タメ語を勉強したい」と言っていました。
そこで、彼の訳を見ながら、「友達だったら、こう言うかな」と一緒に考えてみました。
例えば、こんな英文です。
“It’s totally up to you, but maybe you should take it back to Garage Hiroto and have them check it over.”
彼は、
「あなた次第だけど、ヒロトに車を持って行って、検査を受けたほうがいいかも。」
と訳しました。
もちろん、意味はよく分かります。
でも、友達との会話なら、
「ジェイク次第だけど、ガレージヒロトに車、持ってって、見てもらったほうがいいかも。」
私なら、こう言います。
友達同士の会話では、「を」「に」などの助詞を省略することがあります。
「車を持って行って」ではなく、「車、持ってって」と言うこともあります。
そして、「あなた」という言葉も、日本人はあまり使いません。
こうやって、「教科書の日本語」と「実際に話す日本語」の違いを考えるのは、
とても面白いし、勉強にもなります。
私は英語が苦手なのですが、このレッスンをしている間、
ちょっとだけ映画字幕の翻訳家・戸田奈津子さんになった気分でした(笑)。
ところで、この生徒さんは、コロナ禍の頃から日本語の勉強を始め、
独学で3年足らずでJLPTのN1に合格した人です。
以前、彼はN2を勉強しているときに、
N3の文法を3~4個使ってエッセイを書き、
私がそれを添削するという勉強をしていました。
「N2を受けるのに、どうしてN3の文法を勉強するの?」と聞くと、
「N2にもN3やN4の文法が出ます。それを完璧にしておけば、合格できるかなと思って……」
と答えました。
なるほど!
新しい文法をどんどん覚えるだけではなく、知っている文法を実際に使えるようにする。
今回の「英語を自分の日本語に訳す」という方法も同じです。
勉強した日本語を「知っている日本語」で終わらせず、「使える日本語」にする。
これも、外国語を勉強するときの大切なポイントなのかもしれません。
……それにしても、生徒さんに勉強方法を教えてもらう日本語教師って、どうなんでしょう(笑)。
コメント (0)