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Cafetalk Tutor's Column

中村勇太 講師のコラム

摩擦をコントロール

2017年5月18日

今日もよくCafetalkレッスンで登場する曲から。

ザイツの学生協奏曲、Student Concerto。

ピアノだと独奏曲で小品からソナタや技巧的なピースなどへ進むと思いますが、ヴァイオリンの場合は簡単な曲からバロックの簡単なソナタと合わせて、協奏曲に進む場合が多いです。

その協奏曲の基礎編がザイツですが、幼い子が使える音域や技術の制約の中でよくできた曲です。

自分で音楽を主導するとか、意志を出す意味で、協奏曲は簡単なものであってもとても勉強になります。

大切なことは摩擦をコントロールすること。

音は空気の振動。空気を振動させるのは楽器のボディ。そしてボディを振動させるのは弦。弦を振動させるのは弓の毛と弦の摩擦。

弦が床と平行か、床に対して斜めか、弓の毛の面と弦がしっかり噛み合っているか、弦と弓が垂直に交わっているか・・・これがほんの少し違うだけで摩擦の量は変わります。

摩擦の量が変わるということは音色や音量が変わるということ。

自分で振動を潰してしまってはいけません。顎や肩でぎゅっと楽器を挟んでしまうのもそういうことにつながります。

楽器を自分の左手でしっかり持ち上げましょう。そうすれば、あごあてが顎に引っかかるようになって、楽に呼吸できるようになります。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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