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【英語のOSを整える #4】 なぜ英語になると、「声」が浮いてしまうのか

Nao705

英語を話していると、自分の声だけ浮いているように感じる。

英語らしく話そうとすると、どこか演技しているようで気恥ずかしい。

でも、日本語のままだと周りの英語話者と流れが合わない。

どう発音すればいいのかわからない。頑張って真似しているのに、ぎこちなくなる。

そんな感覚はありませんか?

実はこれ、修正してもらったり、見本を見せてもらって真似したり、そういった、いわゆる「発音の練習量」だけの問題ではないのかもしれません。

英語と日本語では、言葉の立ち上がり方だけでなく、身体の使われ方そのものにも、かなり大きな違いがあるからです。

前回までのコラムでは、

・どこへ意識が向きやすいのか
・どう言葉が立ち上がるのか
・何を中心に状況を捉えるのか

その流れ自体がかなり違う、という話をしてきました。

そして実は、その違いは単に「考え方」の違いではありません。

本来、人が言葉を話すときは、見えているものや、感じている刺激、向いている意識そのものが、自然と身体の響きにも表れてきます。

英語もまた、そういった身体感覚と深く結びついた言語です。

だから英語では、「何を言うか」だけでなく、「どんな感覚でその言葉を発しているか」まで、声にかなり表れやすい。

英語になると、どこか演技しているように感じたり、逆に日本語のままだと、周りから少し浮いているように感じたりするのも、その違いと無関係ではないのかもしれません。

日本語では、喉や舌が常に少しスタンバイしているような感覚があります。

少なくとも私自身が長年観察してきた中では、日本語話者の方には、完全に響きを保ったまま存在しているというより、「次にすぐ動ける状態」を細かく維持しているような感覚が見られることがあります。

だから、小さく速い切り替えがかなり頻繁に起きています。

息も、一気に大量に流しているわけではなく、音ごとにごく軽く勢いをつけながら進んでいく感覚があります。

一方英語では、毎回細かく作り直すというより、まず響きや空間そのものが存在していて、その中で響きが並んでいく感覚です。

だから英語話者の声には、口先ではなく、身体全体で響いているような感覚があります。

しかも英語話者は、単に「音」を出しているわけではありません。

そのとき見えているもの。感じている刺激。向いている意識。

そういったものが、身体全体の響きとして同時に立ち上がっています。

だから英語の音は、口先だけで真似しようとしても、どこか違和感が残りやすい。

響きだけでなく、「どんな感触を、どんな流れで味わっているか」そのものが関わっているからです。

今、試しに、

「今日はちょっと疲れたな」

と日本語で言ってみてください。

次に、

"I'm a little tired today."

と英語で言ってみてください。

発音を真似しなくても大丈夫です。

その代わり、喉、口、息、身体のどこが先に動こうとしているかだけ、少し観察してみてください。

もしかすると、日本語では細かく準備している感じがあり、英語では少し違う感覚があるかもしれません。

ところが、日本語側の感覚のまま英語を話そうとすると、一つ一つをしっかり粒として固定しようとしてしまいやすい。

すると、

・響きが途中で切れやすくなる
・口や喉が固定されやすくなる
・空間が狭くなる
・周りの英語から浮きやすくなる

ということが起こります。

これが、

「英語を話すと妙に疲れる」
「ぎこちなくなる」
「うまく流れに乗れない」

感覚につながっていきます。

しかも多くの人は、「英語らしく話さなきゃ」と思った瞬間に、さらに喉や舌を緊張させやすくなります。

でも実際の英語は、緊張させたり力んだりするというより、響きの空間そのものを保ちながら、その中で自然に音が並んでいく感覚に近いのです。

だから大切なのは、外から見える口の形だけを真似したり、日本語基準で聞き取った音を闇雲に真似することではありません。

まずは英語を聞いたときに、

「この人はどんな空間の中で話しているんだろう」

ということを、少しだけ意識してみてください。

口より先に、響き。
音より先に、流れ。

そうやって少しずつ観察していくと、最初は捉えどころのなかった英語が、少しずつ違うものとして聞こえ始めます。

そして、その感覚が身体の中に蓄積していくことで、英語の響きそのものが、少しずつ自分の感覚になっていく。

それが、「聞けるようになる」ことにも、「自然に話せるようになる」ことにもつながっていきます。

発音は、単なる口の形や音程のコントロールではありません。

どんな響きの空間の中で、何を感じながら、どう言葉が立ち上がっているのか。

実はその感覚そのものが、英語のOSと深くつながっています。

次回は、

「なぜ英語は、あんなに速く聞こえるのか」

について、もう少し詳しく見ていきます。





プロフィール

英語講師のNaoです。日本育ちのまま英語を習得し、TOEIC990点取得(複数回)。20年以上、膨大な数の学習者を指導しながら、「なぜ話せないのか」「何が効くのか」を観察し続けてきた結果たどり着いたのが、処理構造そのものを整えるというアプローチです。私のレッスンの目的は、英語を自立して吸収できる土台を作ることです。その土台が整ったとき、英語は先生なしでも育ち続けるものになります。そこまでお連れすることを、使命としています。

このテーマについて、少しずつ続きを書いていく予定です。

同じ内容をnoteでも公開しています。 note

 

日本語コラムと合わせて、英語での発信(Substack)も少しずつ増やしていく予定です。→ Substack


 

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 「写真:夫撮影」



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