音程を間違える時

中村勇太

 
 
 
 
音程を間違える時 音程を間違えたとき、まず、なにを考えるでしょう。

あー、間違えた。ハッ!間違えた。

本番の時は何があっても音楽を止めてはいけません。そんなことは気にしないでいきたいです。
しかし、練習のときは違います。 なぜ、間違えたのか考えないといけません。

今日はレッスンで指摘することが多いポイントをご紹介します。

ヴァイオリンは4本の弦を扱います。 通常の調弦は5度の関係です。
例えばファ#の次に高いドのナチュラルがあったとき、 同じ2の指を使いますが、
指を置く場所は真横ではないということ。

そして、その指の位置の加減は、水かきを開くのではなく、
手の位置をずらしたり、手首を曲げたりすることでもなく、
肘と、指の第1関節の開き具合(畳み具合)ということです。

動画はヴェラチーニのソナタの最終楽章です。

ところで、音程を間違えている時、他にも色んな理由があり得ます。
例えば...
音符を読み間違えている
臨時記号を見落としている
指番号を読み落としている
前後の音との半音、全音、五度などの関係がわかっていない
↑ 頭の中の話

間違いに慣れてしまっていて、違和感を感じない
↑ 耳の話

指を無意識に置いている(このコラムの冒頭の話)
フォームが崩れている
無駄な動きをしている
楽器が下がっている
↑ 物理的な話

ここまで読まれて、お気づきの方もいるかもしれませんが、
『うまくいかなかったとき』は『うまくいったとき』の反対のことが行われています。

技術面のレッスンは「その人がなぜうまくいかないか」見抜くことが大切だと考えています。
なので、小さなお子さんの親御さんは「なんで何回も間違えるの!」と叱るのではなくて、
レッスンで教わった「どうやったらできるか」を声がけしてほしいと思います。

全部正しく、というのは本番では大変難しい。
もちろん正しく弾くことより大切なこともあります。

しかし、せめて練習のときは心がけ、努めとして全て正しく、
ごまかさずにやりたいと思います。
This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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