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Cafetalk Tutor's Column

Tutor caoli 's Column

韓国小説5作、基本的に悪口

Aug 6, 2020

前回最近読んだ韓国小説を紹介しようと思っていたものの、バイトの話でお腹いっぱいになってしまいました。
今日は前回のリベンジです。
(全部邦訳出てるので気になる人はダヴァイしてください)

①『楽器たちの図書館』

あらすじ:男が楽器屋で働き始める

・ひと言で言うと「主人公の喪失と再生」←それってよしもとばななの得意技じゃん?
・全体的にほんわかしていて国語の教科書とかに載っていそうな話(それもよしもとばななっぽい)
・大した知識もないのに、専門外の仕事に着手してしまうのはとても韓国っぽい(偏見)
・後半主人公が楽器の音を録音しまくるという異常性癖発動、唐突すぎて草生える


②『マイスウィートソウル』

あらすじ:アラサー、恋と仕事に悩む

・日本の月9ドラマにありそうなストーリー。吉高由里子とか主演でやってそう(適当)
・そこはかとなく漂う「唯川恵の小説の韓国版です」感
・何のひねりもなくて唯川恵の小説の方が面白いです、ごめんね
・良く言えば「日本も韓国もアラサー女性は同じようなことで悩んでるんだね!」と気づくことができる


③『菜食主義者』

あらすじ:ある日女が肉を食べなくなる

・短編集で3作収録、表題作から始まり以下連作
・1作目「ふーん」2作目「えっきもい」3作目「しつこい」
・桐野夏生の『グロテスク』(東電OL殺人事件モチーフの話)を思い出す暗さ
・東電OLと菜食主義者になった女に共通する「もうコイツどうしようもねーな」感
・東電OLと菜食主義者になった女に共通する「明後日の方向に狂っててもう誰も彼女を救えませんね」感
・「韓国社会の暗さ・生きづらさが表現されている」というレビューがどこかにあったが、私は社会というか個人の内面とか裏表とかにクローズアップした作品だと感じた(社会の暗さを登場人物個人の暗さに投影したということかな?)
・なんでもかんでも「社会が~」に帰結されてしまう現実


④『韓国が嫌いで』

あらすじ:韓国が嫌いでホジュに移民する

・最近たまたま『文化移民』(アメリカ・イギリスに留学する日本人のエスノグラフィー)を読んだところだったのでとても감이 잡혔습니다
・母国では人生うまくいってないけど、海外に行けば道が開けるかも!は幻想、前から言われてるのにこの主人公は知らなかったのかな?
・母国でたいした学歴・職歴もないのに年だけ食った状態で留学しても結局何にもならないというのは『文化移民』にも書いてありました、ただしキャリアアップとかの幻想を抱いているわけでなく、どうしても留学してみたいとか、人生の思い出作りのための留学ならそれはそれで全然アリだと思う(現地で学歴をゲットするための留学も良いと思う)
・私もアラサーになって2回もロシアに어학연수に行くとは思わなかったけど、日本で通っている大学院があってそこからの交換留学なので、良くも悪くも「守られている」
・でも自分が10代の頃は、会社辞めて背水の陣で留学に来た後ろ盾のないアラサー留学生も、後ろ盾のある(母国に所属先のある)アラサー留学生も、どっちも同じように見えてた。「このおばさん何でこの年で留学なんかしてるんだろう?」と思っていた、まさか自分もそんな存在になるとは、そしてなんとなく40代とか50代になってもなんだかんだ海外に어학연수行きそうな自分がいる


⑤『パリデギ:脱北少女の物語』

あらすじ:少女が脱北して気づいたらイギリスにいる

・動物と会話ができたり霊感(?)みたいなのがある、もののけ姫的少女(語弊あり)が主人公のファンタジー
・脱北や北朝鮮の話はメインではない。薬味。
・脱北者も結局世界的に見ればただの「難民」で、もっと大変な人たくさんいるよ、という忘れていた事実がここに
・上海からイギリスにかけての描写は沢木耕太郎『深夜特急』に出てくるインドの売春宿の少女の話を思い出してしまい鬱る
・主人公の周りの人が死に過ぎて、作者は安直に人を殺し過ぎだと怒りを覚えると共に、でも現実にそういう人っているよね、と思ってしまう

韓国の小説を読むと、「これ前にどっかで読んだよな」と既視感を覚えることがとても多いです。
それほど日本と韓国の社会、文化、価値観などが似ているということなんでしょう。

そして最近とても話題の『あやうく一生懸命生きるところだった』というエッセイをついに買って読んでみました。
まだ1部までしか読んでないけど、この圧倒的薄っぺらさ、マンセー!

作者40歳?40歳になるまでこんなことも知らなかったの?え?ほんとに?村上春樹好きなら他の日本の本も読んでみればよかったのに?こんなこと日本ではみんな知ってることだよ?本に腐るほど書かれてるよ?日本の自己啓発書がこんなに韓国語翻訳されてるのにまさか知らなかったわけじゃないよね?

と、たくさんのクエスチョンを筆者に投げかけたくなる、そんな本です。

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