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Cafetalk Tutor's Column

Yukiko.T 講師のコラム

二つの住所

2020年12月22日

皆さんのお家には住所がいくつありますか?日本にお住まいの方は、「一つに決まってるでしょ!」と答えるに違いありません。それでは、韓国はどうでしょう?何と韓国では、同じ場所に二つの住所が存在するのです。
 韓国でも以前は日本と同じ方式の「地番住所」を使用していましたが、現在はそれに加えて「道路名住所」というものが使われています。道路名住所というのは、日本以外のほとんどの国で採用されている住所の表示方式で、通りの名前+建物番号で成り立っています。地番住所の場合、住所だけを頼りに建物を探すのは至難の業ですが、道路名住所はシンプルでわかりやすいため、住所だけで建物を探すことができるというメリットがあります。基準となる通りの左側は奇数、右側は偶数の建物番号が付与されるというような形になっています。皆さんがよく利用されるであろう、仁川国際空港第1旅客ターミナルを例にとってみましょう。
【地番住所】仁川広域市中区雲西洞2851番地
【道路名住所】仁川広域市中区空港路272番
と、このようになります。
 2014年に道路名住所法が全面施行されて以降、土地台帳を除いて全て道路名住所を使用することになっています。全面施行以前の数年間は、移行期間として併用が認められていました。その時期に韓国に住んでいましたが、ある日突然マンションの郵便受けに「この建物の新住所は~になりました」という張り紙がされただけで、自分の家の道路名住所すら知らずに地番住所を使い続ける人がほとんどでした。郵便局で道路名住所を記載した郵便物の料金を割引きする等、必死に普及キャンペーンを繰り広げていましたが、韓国の皆さんはどこ吹く風^^;地番住所を道路名住所に変換するサイトやアプリが複数存在するところを見ると、いまだに住所表記に関してはカオス状態なのではないかと疑ってしまいます。
 このように表記だけは道路名住所に移行しましたが、世間話レベルでは今でも使い慣れた町名で話していることでしょう。通りの名前で言われても、どこのことやらピンと来ませんからね!


本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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