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Cafetalk Tutor's Column

Tutor Yukiko.T 's Column

どっちつかずなネイティブ語

Apr 10, 2021

外国語を勉強中の皆さん、ひょっとしてネイティブスピーカーの使用している表現が、ご自身の学んだものと違うなあと感じたことはないでしょうか。私は韓国で生活していた頃、度々そのように感じることがありました。韓国語の場合は特に、いわゆる「標準語」と呼ばれる正しい言葉と実際に日常生活で使われている言葉との間に、大きな隔たりがあるような気がします。
 私自身が違和感というか疑問を覚えたものの一つに、「다르다[ダルダ]」と「틀리다[トゥルリダ]」の使い分けがあります。「다르다[ダルダ]」は、「異なる(複数のものの間に差がある)」という意味の形容詞です。一方の「틀리다[トゥルリダ]」は、「間違う」という意味の動詞です。ところが大部分のネイティブが、本来は「다르다[ダルダ]」と言うべき場面で「틀리다[トゥルリダ]」を、それも形容詞として使っているのです!例えば、「習慣が異なります」なら、正しくは「습관이 달라요[スプクァニダルラヨ]」と言わなければならないのですが、ネイティブ語(?)では「습관이 틀려요[スプクァニトゥルリョヨ]」となってしまうわけです。そもそもこれが間違いだと気付いているネイティブがほとんどいないのですから、不思議と言わざるを得ません^^;
 さらにさらに、思わず「どっちやねん!!」とツッコミを入れたくなるほどどっちつかずなネイティブ語が……。それが、「가르키다[ガルキダ]」という動詞です。「教える」と「指し示す」という二つの意味で使われているのですが、今のところ「非標準語」です。これは思うに、「가르치다[ガルチダ](教える)」と「가리키다[ガリキダ](指し示す)」が化学反応(?)を起こして、両方の意味を持つ便利な新単語が誕生してしまったのでしょう。よくできているといえば、よくできているような^^
 このように、私達が学んだ正しく美しい韓国語が、必ずしも日常生活でそのまま使われているとは限らないのです。多くの皆さんは、できれば「自然な」韓国語を使いたいとお思いのことでしょう。私個人的には、「正しい韓国語ではない」とわかっている分には、場面に合わせて上記のような非標準語を使用しても構わないと考えます。それが「自然な」ネイティブ語なのですから。反対に、標準語を使うべき場面では標準語というふうに、きちんと使い分けさえできれば問題ないと思っています。ただし、普段の言葉遣いというのは、とっさに口をついて出てしまうものでもありますよね。韓国で通訳やアナウンサーの方々のお話を伺う機会があったのですが、お仕事の時に無意識に普段の下品な(?!)言葉遣いが出てしまって、冷や汗をかいた経験があるとおっしゃっていましたよ^^;私自身は曲がりなりにも人様に言語をお教えする立場ですので、普段から非標準語はなるべく使わないように気を付けているつもりではありますが……。口が悪く国語力の著しく低い釜山弁ネイティブ(下品な悪口?)と同居しているため、知らず知らずのうちに汚染されているやも^^;

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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