イタリア語通訳のお仕事④:展示会通訳が初心者の入り口だけど、、、

ARI T.

どうも! プロのイタリア語通訳のARI T.です!

初めての仕事、初心者の仕事として一般的なのが展示会、というお話でしたが、
そうはいっても通訳者次第でビジネスの行方が左右される大切な業務
楽チンで簡単〜 ♪(´ε` )
というわけではありません。
 
出展社はイタリアの会社でバイヤーのほとんどが日本人。
ビジネスの話がまとまれば貿易がおこなわれるわけです。
だから、貿易に関する知識が全くないとこの仕事はできません
恐ろしいことに、、、
信じられないかもしれませんが、、、
貿易の知識が全くないバイヤーも展示会にやってきますから(いや、本当にいるんですよ)、
こちらが教えて差し上げないといけないこともあるのです。
適当なことを言ってしまうと後で責任を問われかねないです。
外国語が話せるだけではできない!
それが通訳という仕事です。
実際「通訳がそう言っていたんだ!」と揉めてる現場を数回目撃。 
責任転嫁されがちな職業でもあります。
 
展示会テーマの業界に関する知識はもちろん必要で、
そのほかに、
*オーダーロット(ミニマム/最低注文数)
*価格はEx factoryなのかFOBなのかCIFなのか
*支払い方法は?(海外送金/LCなど) 
*支払い期限は?(タイミング/一括か分割か、など)
*納期は?
*発送方法は?
などなど、普通に生活していると得られない知識が必要です。
 
昔、新人通訳者(とはいえ何度か展示会の現場で顔は見ていた)が最終日に
ねえねえ、FOBって何?
と他の通訳者に訊いているのを目撃してしまったことがありました。
無邪気に、
普通に、、、、
 
おそらく彼女はそれまで、右から左へ、もしくは左から右へ流すように
何も考えずに「FOB」という言葉をそのまま訳文の中で使い、
幸いにも「それって何?」という初心者バイヤーさんに出会わずに来たのでしょう。
困ったことはなかったのでしょう。
 
なぜ今まで調べなかったの!?
 
と言いたい気持ちをグッとこらえて、
私には聞こえなかったことにして横を通り過ぎたっけな〜、、、
そんな人もいます。
バイトに毛が生えたようなギャラしか頂けなかったとしても仕事は仕事。
真面目にやらないと自分も困るし、人にも迷惑がかかるんだけどね〜 (^^;
 
誤解のないように申し上げますが、
展示会場にはベテラン通訳者もいます。
一度の多くの通訳者が必要になるので「え!?なんであの方が展示会に!?」ということも。
展示会=初心者通訳者の集まり
展示会=すごく簡単な仕事
ではありません。
だけど、基本待機時間が圧倒的に多いので、
初心者の第一歩と位置付けられているのが通訳業界の常識なのでした。

つづく〜



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