『認知症』と聞くと、
=何もわからなくなる・何もわからなくなったまま
と、捉える方も多いと思うのですが、案外、そうでもないです。
認知症の方でも、デイサービスに長く通い続けておられたり、
宿泊を続けて施設にも慣れてくると、
認知症があって、尚且つ両目が見えていなくても、
それは、自力で歩ける方も、常時車いす利用の方であっても、
方向感覚を身につけておられる方も少なくありませんでした。
また、ある時には、
その方も両目がほとんど見えていない方だったのですが、
手を触って、声を聴いただけで、
『あなた、ピアノ弾く子ね』
と、おっしゃっていただけたこともありました。(その日は弾いてなかったです。)
他にも、スタッフの特徴を捉えてくださっていました。
更に、
また別のご利用者様。
不穏状態が続いて、ご自身でも感情コントロールが難しい方がおられたのですが、
演奏を始めたら、スッと静かになって、じっと聴き入ってくださって、
その後、びっくりするぐらい穏やかに帰宅されたことなども、ありました。
私は、介護現場で現役で働いていた頃、自分の職場や、友人の勤める別の施設や病院等で、
ちょこちょこピアノ演奏などもさせてもらっていたのですが。
施設でご利用者の皆様が下さる拍手の音は、
ホールで演奏した時にもらう拍手の音とは、また全然違って。
いつも、本当に、
申し訳ないくらいに温かかったです。
同時に、『わぁ』と漏れるたくさんの笑顔も、
とてもとても、温かかったです。
ただ、あまり脅かすのはよくありませんが、
もっとヒヤッとする場面もありましたし、
もっとほんわかした場面も、色々たくさんありました。
私の祖父も認知症で、突然に結構な認知具合でしたが、
9か月ぶりに一度だけ『ちかちゃん』と、
サラッと呼ばれたあと、また知らない女の子の名前を呼び続けていましたが、
いつも周りの人のことを気にかけている人でした。
どんな方法でも、自分ができることで思いを込めて接すれば、
必要以上に腫れもの扱いしたり、怖がらなくて大丈夫です。
それでも、一生懸命やっているはずなのに『何で通じないの』と思うことも多々あると思います。
そしてそれは、認知症に限った話だけでもないと、私は思っています。
介護に限らず、
物事の捉え方や接し方ひとつで、色々状況を変えられる、ということは十分にあり得ます。
今まさに悩み事を抱えておられるなら、
気持ちが破裂しそうになる前に、お声を聞かせていただければと思っています。
ビデオ通話か、音声のみのご希望か、その都度お伺いしていますので、
はじめましての方も、お気軽にお声をかけてくださいね。
2月もお話をしに来てくださった皆様、ここまで読んでくださった皆様、
ありがとうございました。
桜が待ち遠しい季節になってきましたが、まだまだ寒い日も続きますので、ご自愛くださいませ。
Chika.T
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