時代の行方

Makoto ATOZI

スーパーマーケットで買い物をしていると、なんとなく人々の思想が見えてくる。
時々、すごく急いで買い物をしているような人を見る。それは時間がないからではなく、ただ急いでいるのだということがわかる。
次の品物の棚へと早く行きたいのだ。
買うべきもの、買いたいものが脳内に浮かぶたびに前のめりになるのだと思う。
そんなとき、僕は、これは自分の姿を見せられているのでははないのかと、ヨーガでいうところのプラーナヤーマ(呼吸法)と心で念じて、アーサナ(座位・体位)と念じて姿勢と体位を整えて、意識して自分の動きをスローにしてみる。

僕たちは思考と感情に縛られた身体で、しかも行方の見えないような世相の中で、がんじがらめな雰囲気の世界を生きている。

自分は守られているのだという感覚を失った時、人は思考と感情の幻想に巻き込まれてしまう。
そうして反射的に生まれては消えていく思考と感情と、食べたものの性質でできている身体を自分自身だと勘違いしてしまう。
すると快楽にとらわれてしまい、より刺激的な快楽を求め、それが怒りへと変わる。
怒りへと変わってしまった快楽は本人にはつながりの紐を操作できない場所にあるから、そういうところからよくわからないようなニュースが発生してしまう。

僕たちが生きているこの時代はあまりにも享楽への誘惑が多く、それがまるで生きがいでもあるかのように情報は拡散され、誰もがそれらの情報のシャワーを毎日浴びせかけられてしまっている。

本来そんなにも食べなくてもいい量の食事が豪華に用意され、本来必要のないような品物を次から次へと求めてしまう。

東南アジア、インドなどでは今でも手を合わせて、敬虔な気持ちをあらわす人々は多いけれど、この国でそんなことをすると宗教だみたいな怪訝な目で見られてしまうことでしょう。

それでも、僕たちのこの世界にはやはり大いなる存在があり、因果も恩寵もあるのだと思えば、ただ生きているというだけでもありがたい気持ちがこみ上げてくる。

時代の行方なんて誰にもわからないのだろうけれど、平和であれ、とただ手を合わせたくなる日々。

何も偉そうなことなんて本当は言える立場でもなく、不純な気持ちで過ごした日々の方が多いと自覚しているような人生だけれど、様々なことを整えたいなと思う。

僕たちの真我は純粋意識という名前でも呼ばれる。

純粋だったあの頃の気持ちは、きっと消えたりせずに今も僕たちを見つめている。
本当の自分に出会いたい。

誰もが本当の自分に出会えるような時代になってほしい。

と、本日思ったことを、せっかく書かせていただけるスペースがあるので書いてみました。

個人的な思いです。

Makoto ATOZI


This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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