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外国人だけじゃない!「やさしい日本語」を必要とする人がいる

Naoko.S

情報伝達のための「やさしい日本語」

A)けさ
546分ごろ、兵庫県の淡路島付近を震源とするマグニチュード7.2の直下型の大きな地震があり、神戸と洲本で震度6を記録するなど、近畿地方を中心に広い範囲で、強い揺れに見舞われました。

B)
今日、朝、546分ごろ、兵庫、大阪、などで、とても大きい、強い地震がありました。地震の中心は、兵庫県の淡路島の近くです。地震の強さは、神戸市。洲本市で、震度が6でした。

Aは1997年1月17日のNHKの7時のニュースです。Bは「やさしい日本語」で言い換えたものです。
このように災害時の外国人への情報伝達の方法として「やさしい日本語」が研究・開発されてきました。
災害などの緊急時に多数の外国語に翻訳して情報を伝達するのは現実的ではありません。
少し日本語を勉強したことがある外国人が理解できる範囲の語彙や文法で言い換えれば、
日本語であっても十分情報伝達が可能であり、災害時などの効率的な伝達手段となるということです。

しかし、「やさしい日本語」を必要とする人は外国人だけではありません。
「失語症」という言語処理に障害を持った方の中には、聞いて理解したり、読んで理解したり
することに困難を抱えていらっしゃる方がいます。(さまざまな症状、障害の程度がありますので、
一概には言えません)そのような方とコミュニケーションする場合にも、文を短くしたり、
文法を単純にすることで伝わりやすくなることがあります。小さいお子さんに話しかけるときなども
同様ですね。

また、私のように日本語母語話者で普段は日本語によるコミュニケーションに支障がない人でも、
ぼーっとしているときや、他のことに注意が向いているときは一時的に情報の取得に失敗することが
あります。聞き流してもいいような内容なら良いのですが、確実に伝えるべき内容なら、あえて
シンプルな表現で短く伝えたほうが伝わる確率が高くなります。

このように「やさしい日本語」という伝達手段を身につけておくことで、日本語に不慣れな外国人
だけでなく、日本語によるコミュニケーションに困難を抱えている人を助けることにもなりますし、
さらにはプレゼンテーションなどで聴衆に確実に情報を伝えることもできます。

「やさしい日本語」の「やさしい」は文法や語彙が簡単であるという意味と
聞き手に配慮する優しさ
という意味があるのです。



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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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