今回は「古文の助詞の使い方」をテーマにお話ししていきます。
「単語も文法も覚えたのに、なぜか古文がスラスラ読めない…」
こんな悩みを感じたことはありませんか?
それ、もしかすると“助詞”の理解があいまいなことが原因かもしれません。
古文を読むうえで、助詞は“つなぎ”のような存在ですが、実は文章の意味を大きく左右する重要なパーツなんです。助詞を正しく捉えるだけで、文の解釈が一気にクリアになることもよくあります。
この記事では、古文に出てくる代表的な助詞の意味や使い方を整理しつつ、得点力を高める学習ステップやおすすめの問題集もご紹介します。
古文が読みやすくなるカギは「助詞」にある
古文の世界は、現代語とは語順や表現が異なることが多く、慣れるのが難しいと感じる人も多いです。そのなかで、助詞は文の構造や意味をつかむためのヒントを与えてくれる存在です。
たとえば、こんな例を見てみましょう。
-
「花を見る」
-
「花に見る」
どちらも似たような文ですが、助詞が違うだけで意味も変わってきます。
-
「花を見る」:花を対象として見る(現代語と同じ感覚)
-
「花に見る」:花に心を動かされる、感情的に花を見る
このように、助詞の意味を読み取れるようになると、古文の文意が立体的に見えてくるんです。
頻出の助詞を例文と一緒におさらいしよう
まずは、古文の中でよく登場する助詞たちを、意味ごとに整理してみましょう。
●「を」:対象・通過を示す
-
例)「山を越ゆ」→ 山を通って越える
-
例)「花を折る」→ 花を折る(目的語)
●「に」:方向・原因・対象など
-
例)「京に上る」→ 京の都へ行く(方向)
-
例)「友に語る」→ 友に向かって話す(対象)
-
例)「風に泣く」→ 風に心動かされ泣く(原因)
※「に」はとくに意味の幅が広いので、前後の文脈がカギになります。
●「が」:主語・所有を表す
-
例)「鳥が鳴く」→ 鳥が鳴いている
-
例)「翁が杖」→ 翁の杖(所有)
●「の」:所有・修飾・主語
-
例)「君の袖」→ 君の袖(所有)
-
例)「風の吹く音」→ 風が吹く音(主語)
●「より」:起点・手段・比較
-
例)「都より下る」→ 都から来る(起点)
-
例)「舟より渡る」→ 舟で渡る(手段)
-
例)「友より勝る」→ 友より優れる(比較)
●「は」や「も」:主題の提示、並列・強調
-
例)「花は咲く」→ 花に関しては咲いている(対比)
-
例)「風も吹く」→ 風もまた吹く(並列)
つまずきポイントはここ!助詞の落とし穴と対策
古文の助詞でよくある間違いや誤解のポイントを紹介します。
■誤解①:「に」はすべて「〜へ」ではない!
古文では「に」が原因や対象になるケースも多いです。
例:「月に泣く」→ 月に心を動かされて泣く
■誤解②:「を」はただの目的語じゃない!
現代語の感覚で「を=〜をする」と考えてしまいがちですが、古文では「通過」の意味でも使われます。
例:「山を越ゆ」→ 山を通って越える
学びを定着させるための4ステップ
古文の助詞を理解し、読解に生かすためには、以下のような段階を踏むと効果的です。
【STEP 1】助詞の意味と用法を一覧で整理
→ 表形式やカードを使って、意味・使い方・例文をまとめましょう。
【STEP 2】例文を比較しながら感覚をつかむ
→ 同じ助詞でも文脈によって意味が変わることを実感しましょう。
【STEP 3】問題演習で実践的に確認
→ 実際の古文の中で助詞の役割を見つけ、意味を読み取る練習をします。
【STEP 4】自分で「この助詞の意味は〇〇」と説明できるようになる
→ ただ読むだけでなく、根拠を持って解釈できるようになれば、入試でも安心です。
実力アップにおすすめ!助詞を学べる問題集2選
助詞の使い方を実践的に学びたい人には、次の問題集がおすすめです。
★『古文上達 読解と演習[基礎編]』(Z会)
-
短い文章で文法や助詞の理解を深められる構成
-
丁寧な解説で、読解の力が自然と身につく
-
「なぜこの助詞が使われているのか」がわかるようになる
★『マーク式基礎問題集 古文』(河合出版)
-
共通テスト対応で、実践的な力がつく
-
助詞を含む文法問題が豊富
-
自学自習にも使いやすく、文法の復習にもピッタリ
保護者の方へ:助詞学習をサポートするポイント
助詞は地味に見えるかもしれませんが、古文の読解においては不可欠なパーツです。
お子さんが「読めているようで実は理解していない」状態になりやすいのが、助詞の使い方です。
ご家庭でできるサポートとして、こんな工夫がおすすめです。
-
一緒に例文を音読しながら、「この助詞はどういう意味?」と問いかける
-
問題を解いた後、「なぜその答えになったのか」を説明してもらう
-
問題集選びのときに、「文法だけでなく読解力を伸ばせるか」をチェックする
おわりに:助詞がわかれば古文が見えてくる
-
古文を読む力を上げたいなら、まず助詞を見直そう
-
助詞が理解できれば、文のつながりや意味がはっきり見えてくる
-
問題集や例文を活用して、「なんとなく読む」から「意味を取って読む」へ
オンライン授業では、こうした助詞の使い方や文構造の読み取りも、丁寧に指導しています。
「古文が苦手」「なんとなくで読んでしまう」という方は、ぜひ体験授業でその違いを実感してみてください。
読めるようになる喜びを、一緒に味わってみませんか?
Comments (0)