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【大学入試古文】古文単語帳のおすすめと使い分け

AZUKI

大学入試の古文を攻略するうえで、最も大切な基礎は「古文単語の暗記」です。現代文や英語と違って、古文では単語の意味を知らなければ文脈を読めません。しかも古文単語は、現代語と似ているようで意味が違う「和語」や、独特のニュアンスを持つ語が多く、表面的な暗記では得点につながりにくいのが特徴です。

そこで役立つのが「古文単語帳」です。市販されている単語帳は種類も豊富で、カラー写真やイラスト付きのものから、文学的背景まで解説が充実しているものまでさまざまです。しかし、どれを選べば良いのか迷ってしまう受験生や保護者も多いでしょう。

この記事では、代表的な古文単語帳のおすすめを紹介するとともに、受験生のレベルや目的に応じた「使い分け方」について詳しく解説していきます。


1.古文単語帳が重要な理由

(1) 古文読解の基礎は単語力

古文では、文法を理解していても単語がわからなければ内容をつかめません。たとえば「おぼゆ」という単語は「思われる」「思い出される」「似る」など複数の意味を持ちます。これを知らなければ、文章全体の解釈を誤る危険があります。

(2) 入試頻出の語は限られている

古文単語は数千語ありますが、大学入試で頻出するのは 300語〜500語程度 に絞られています。効率よく覚えるためには、単語帳を活用し、頻出語を優先的にマスターすることが必須です。

(3) 暗記が苦手でも工夫できる

単語帳は単なる「単語集」ではなく、語源やイラスト、現代語とのつながりを意識させる工夫が施されています。自分の学習スタイルに合った一冊を選べば、暗記の負担が大きく減ります。


2.おすすめの古文単語帳

ここでは、多くの受験生に支持されている代表的な古文単語帳を紹介します。

① 『マドンナ古文単語230』(学研)

  • 特徴:イラストやストーリー性のある例文で記憶に残りやすい構成。

  • おすすめ対象:古文が苦手な高校生、特に最初の一冊として。

  • メリット:親しみやすく、基礎から学べる。古文嫌いな生徒でも手に取りやすい。

② 『古文単語ゴロゴプレミアム』(スタディカンパニー)

  • 特徴:ゴロ合わせで強引にでも覚えられる工夫。難関大志望者にも人気。

  • おすすめ対象:暗記が苦手、短期間で効率よく覚えたい人。

  • メリット:ゴロとイラストで印象に残る。暗記スピードが速い。

③ 『読んで見て覚える重要古文単語315』(桐原書店)

  • 特徴:例文と解説が充実し、品詞や活用形の知識も網羅。

  • おすすめ対象:共通テストから難関私大・国公立まで幅広い層。

  • メリット:例文が自然で実戦的。読解力と単語力を同時に養える。

④ 『古文単語FORMULA600』(Z会)

  • 特徴:共通テスト・私大・国公立までカバーする600語。

  • おすすめ対象:難関大学を目指す受験生。

  • メリット:収録語数が多く、上位校の入試対策にも安心。

⑤ 『古文単語速読マスター500』(代々木ライブラリー)

  • 特徴:頻出順に整理されており、効率的に学習できる。

  • おすすめ対象:演習量を増やしたい、短期間でスピード暗記したい受験生。

  • メリット:コンパクトな構成で通学中の学習にも適している。


3.古文単語帳の選び方

(1) レベルと志望校で選ぶ

  • 基礎固めが必要な人 → 『マドンナ古文単語』『ゴロゴ』

  • 共通テスト中心 → 『古文単語315』

  • 難関大志望 → 『FORMULA600』『速読マスター』

(2) 暗記のスタイルで選ぶ

  • イラスト・ゴロ合わせで楽しく覚えたい → マドンナ/ゴロゴ

  • 文脈理解を重視したい → 古文単語315

  • 網羅性と演習性を重視 → FORMULA600


4.古文単語帳の効果的な使い方

① 1日20語を目安に繰り返す

一度に多く覚えようとせず、毎日少しずつ。1周で覚えるのではなく、3周、5周と繰り返すことで定着します。

② 声に出して覚える

古文は「音読」によってリズム感を伴って覚えると効果的です。音と一緒に記憶されるので忘れにくくなります。

③ ノートにまとめすぎない

単語帳は「そのまま使う」ことが基本。自分でまとめ直すより、まずは完成度の高い単語帳を繰り返す方が効率的です。

④ 定期テストや模試とリンクさせる

授業や模試で出てきた古文単語を単語帳で確認し、印をつけて復習すると実戦的に力がつきます。

⑤ 応用は文章読解で

単語帳で覚えた意味を、古文の文章で確認しましょう。「この意味で使われている」と気づいた瞬間に、記憶が定着します。


5.古文単語帳の使い分け術

志望校レベルや勉強の段階に応じて、単語帳を「使い分ける」のも有効です。

  • 高1〜高2の基礎期:マドンナ古文単語やゴロゴで楽しく暗記

  • 受験勉強スタート期(高2後半〜高3春):古文単語315で頻出語をしっかり定着

  • 志望校対策期(高3夏以降):FORMULA600や速読マスターで演習+語彙力拡張

このように、段階を追って単語帳をステップアップさせると効率が良く、学習モチベーションも保ちやすいです。


まとめ

古文単語は大学入試古文の得点を大きく左右する要素です。単語帳は数多く出版されていますが、大切なのは「自分のレベルや目的に合った一冊を選び、繰り返し使い込む」ことです。

  • 基礎固めなら『マドンナ古文単語』や『ゴロゴプレミアム』

  • 標準から応用まで幅広く使える『古文単語315』

  • 難関校志望なら『FORMULA600』や『速読マスター』

学校の授業や模試とリンクさせながら、音読・繰り返しを徹底すれば、確実に古文の読解力がアップします。

単語帳選びで迷ったら「自分が続けられそうかどうか」を基準にしてみてください。お気に入りの一冊を徹底的に使い込むことが、合格への最短ルートとなるでしょう。

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The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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