日本語・韓国語講師の Hayoung_Eiko です ^ ^
韓国ドラマを見ていると、
「あ、この人、もう泣きそうだな」
と思う瞬間があります。
でも不思議なのが、
まだ涙は流れていないことも多いんですよね。
鼻の奥がツンとして。
喉が詰まって。
目元に涙が浮かんで。
韓国語には、
そんな“泣く直前”の感情を表す言葉が、
本当にたくさんあります。
たとえば、
코끝이 찡하다
――鼻の奥がツンとする
그 말을 듣는데 코끝이 찡했다.
(その言葉を聞いて、鼻の奥がツンとした)
実際に泣いているわけではないのに、
感情だけが先に込み上げてくる。
そんな感覚が、
とても自然に表現されています。
そして、
목이 메다
――喉が詰まる
감사 인사를 하다가 갑자기 목이 멨다.
(感謝の挨拶をしていたら、急に喉が詰まった)
涙より先に、声が出なくなる感情。
ちなみに会話では、
「목이 메이다」
という形もかなりよく使われます ^ ^
さらに、
눈물이 고이다
――涙が溜まる・涙ぐむ
그 말을 듣는 순간 눈물이 고였다.
(その言葉を聞いた瞬間、涙が込み上げた)
ここでは、まだ涙は流れていません。
ただ、
目元にじわっと感情が集まってくる感じ。
だから、
눈물이 흐르다
――涙が流れる
とは、少し見えている景色が違うんですよね。
韓国語は、
“涙の流れ方”まで、細かく描き分けます。
또르르
――ぽろり、と一粒落ちる感じ
눈물이 또르르 떨어졌다.
(涙がぽろりと落ちた)
주르륵
――つーっと流れる感じ
눈물이 주르륵 흘렀다.
(涙がつーっと流れた)
줄줄 흐르다
――ぼろぼろ流れる
눈물이 줄줄 흘렀다.
(涙がぼろぼろ流れた)
同じ「涙が流れる」でも、
静かな涙なのか。
堪えていた涙なのか。
抑えきれず溢れた涙なのか。
韓国語では、
その景色まで少しずつ違うんですよね。
さらに、
펑펑 울다
――わんわん泣く
엉엉 울다
――声を上げて泣く
という表現もあります。
비 오듯 펑펑 울었다.
(雨のようにわんわん泣いた)
아이처럼 엉엉 울어버렸다.
(子どものように声を上げて泣いてしまった)
似ていますが、
펑펑 울다 は
“涙の量”
엉엉 울다 は
“泣き声”
の印象が少し強めです。
そして、
눈시울이 붉어지다
――目頭が赤くなる
という表現まであります。
눈시울이 붉어진 채 고개를 끄덕였다.
(目を赤くしながら頷いた)
まだ泣いてはいない。
でも、
もう感情は隠しきれていない。
そんな空気があります。
韓国語を見ていると、
「泣いた」
だけでは終わらず、
鼻の奥がツンとして。
喉が詰まって。
目元に涙が溜まって。
そして、
ようやく涙が流れる。
韓国語は、
感情が涙になるまでの時間まで、
丁寧に描こうとしているのかもしれません。
だから韓国ドラマって、
まだ誰も泣いていないのに、
こちらが先に泣きそうになるのかもしれませんね。
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