日本語・韓国語講師の Hayoung_Eiko です ^ ^
あるドラマの予告編を見ていたとき、
こんな一言が耳に残りました。
「엿 된 거네요, 나?」
字幕だけを見ると、
「え、私、終わったってこと?」
最近よく使われる言葉で言えば、
「え、私、詰んだってこと?」
そんな意味にも見えます。
でも、この一言を聞いたとき、私が惹かれたのは、
「終わった」という意味そのものではありませんでした。
韓国語は、ときどき出来事だけではなく、
その出来事に気づいた瞬間の気持ちまで
一緒に表すことがあります。
この表現の中心になる 엿되다 は、
「まずいことになった」「大変なことになった」
といった意味で使われる俗語です。
そして、このセリフで使われている
-(으)ㄴ 거네요 には、
「ああ、そういう状況だったんだ。」
という、その場で状況に気づいた実感が込められています。
だから、
「엿 된 거네요, 나?」
という一言は、
単に「終わった」と言っているのではなく、
「……あ、これ、私、終わったやつだ。」
と、自分の置かれた状況を理解した瞬間の
独り言のように聞こえるのです。
韓国語を勉強していると、
「何を言ったか」だけではなく、
「どんな気持ちで、その言葉が出てきたのか」まで
表そうとする表現に出会うことがあります。
この一言も、その魅力を感じさせてくれる表現の一つでした。
ところで、このセリフを見ていて、
もう一つ気になったことがありました。
ドラマの予告編では、
「엿 된 거네요」
と書かれていたのです。
韓国語では、単語と単語の間にスペースを入れて書くことを
「分かち書き(띄어쓰기)」と言います。
一方で、辞書では 엿되다 が一語の動詞として掲載されています。
そのため、一般的には 「엿된 거네요」 のように、
「엿된」を一語として表記します。
もちろん、ドラマの字幕やSNS、広告などでは、
読みやすさや演出を意識して、
辞書どおりではない分かち書きが使われることもあります。
こうした違いに気づけるようになると、
「韓国語を読む」ことが、少しずつ楽しくなってきます。
ただ、この 엿되다 は少し俗っぽい表現であるため、
親しい友達同士なら自然に耳にすることがありますが、
先生や上司、初対面の相手に使うような言葉ではなく、
使用時には十分注意が必要です。
韓国語を勉強していると、
新しい流行り言葉や俗語に出会う機会がたくさんあります。
知っていると、ドラマや映画の世界がぐっと身近になります。
でも、「知っていること」と「自分で使うこと」は、
少し別のお話です。
私自身も、意味は理解していても、
自分ではあまり使わない単語や表現があります。
それは、その言葉が悪いからではありません。
言葉には、その人らしい温度や、
その人らしい距離感があると思うからです。
だから私は、新しい表現に出会うたびに、
「この言葉は、今の自分らしいかな。」
と、一度立ち止まって考えるようにしています。
外国語を学ぶということは、
言葉を増やすことだけではありません。
言葉を知り、その背景を知り、
そして自分の言葉として使うかどうかを選べるようになること。
そんな積み重ねが、少しずつ
「自分らしい韓国語」を育ててくれるのではないでしょうか ^^
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