よく聞きますね。「II-V-I」。これは「ツー、ファイブ、ワン」と言います。ジャズだけでなく、ロックやポップスの演奏や作曲では必ず出てくる言葉です。
考えられるコードの組み合わせは大変多いにもかかわらず、大変多くの曲がこの1つの組み合わせで作られています。私たちはこのパターンで作曲された歌やメロディーを好む傾向があります。そして、私達の耳はこのII-V-Iと呼ばれるコード進行に引き寄せられます。II-V-Iとはどういうものでしょうか。
II-V-Iは一つのキーにつき一つ
多くの曲は一つの調(英語:key、キー)で作られていて、II-V-Iは一つのキーにつき一つしかありません。
ここでは代理コードのVの話は省略します。上級ジャズ理論では一つのキーにいくつもII-V-Iを想定することができます。しかし、それらはこの基本のII-V-I、つまりそのキーに一つしかないII-V-Iを元にしないと想定することがでません。
II-V-IとIV-V-I
II-V-IまたはIV-V-Iは(中世以降の)西洋音楽において最も多く使用され、最も重要なコード進行です。 クラシックやロックミュージックでは、II-V-IよりIV-V-Iが多く使われますが、この二つは基本的に同じものです。
ここで「同じこと」と言っているのは機能のことです。
コードの基本機能は、トニック、ドミナント、サブドミナント
ジャズを含む西洋音楽の和声(英語:harmony、ハーモニー)基本機能は、トニック(TONIC)、ドミナント(DOMINANT)、サブドミナント(SUBDOMINANT)の3つです。
他の機能はすべてこれらの3つの機能から派生したもの、または関連するものです。
- IIはサブドミナント(Sub Dominant)機能を持っています(IVも同様です)
- VはDominant関数を持つ
- Iはトニック機能を持っています
この「機能」とはどういうことでしょうか。音楽ではこれらの機能は、音楽を聴く人にそれぞれ違った印象を与える役割を持っています。
- トニック:固定、安定、センター、元、など
- ドミナント:動き、不安定、変化、発展、など
- サブドミナント:ドミナントの「サブ」、つまりドミナントの補足的役割で、ドミナントコードの代わりをしたり、ドミナントコードへの期待感を与えたり、ドミナントコードを引き継いで余韻を与えたりします。
II、V、Iの機能として使われているこれらの言葉は、私たちの感情を説明する言葉に似ていると思いませんか?