渡してきたクラスメイトはニヤニヤと笑い、
「お前、こういうの得意だろ」と茶化すように言った。
ちらりと視線をやると、彼女は顔を真っ赤にしていた。
その瞬間、僕は覚悟を決めた。
「ああ、これはダメなやつだな」
すぐに思った。
何度も見てきた流れだ。
友だちにからかわれ、手紙を受け取る。
そして、退屈な日常へと戻るだけのパターン。
少しだけ胸が痛むけれど、それ以上の恐怖は感じなかった。
「いつものことだ」と自分に言い聞かせると、
意外と心は落ち着いていた。
けれど、せっかく渡してもらったものを無視するわけにはいかない。
응답 (0)