「句動詞(英語で phrasal verb)」というと、難しい文法用語のようで聞き慣れない、という方も多いかもしれません。
でも実はとても身近なもので、しかも英語力をブラッシュアップする上で避けては通れないトピックです。
句動詞は、動詞に副詞や前置詞がくっついて、全体で一つの動詞のように機能する定型表現のことです。
例えば、お馴染みの”get up” (起き上がる) “take off” (離陸する) “turn on” (~をつける)なども句動詞です。
では、動詞、副詞 and/or 前置詞で構成されていれば全て句動詞かというと、もう1つ条件があります。それは、個々の単語からは、その全体の意味を想像することが難しいということ。(注釈:句動詞について絶対的な定義や基準があるわけではなく、辞書によっても分類が違うことがあります。)
例えば、
① I will keep hitting the mango tree until the fruits fall down.
② Somebody shouted at me saying “Cut it out!”
①の文章は「私は実が下に落ちるまで、マンゴーの木を打ち続けます。」と言う意味です。"fall down"とありますが、"fall" (落ちる)の元々の意味とそう変わりません。(注釈:"fall down" には他にも「(仕事などに)失敗する」と言う意味もあります。)
一方、②の文章は "cut" が入っているので、ハサミなどの切るものを想像した方もいるのではないでしょうか?しかし、実際には"cut out"で「やめる」という意味です。訳すと「誰かが私に『やめて!』と叫んだ。」です。"cut" や "out" の意味からは "cut out" (やめる)の意味を想像することは難しいです。ですから②は句動詞、ということになります。
このように、句動詞は個々の単語から、その全体の意味を推し量ることが難しいので、これはフレーズを全てワンセットで意味を覚えるしかありません。
そんなの大変そう!と愚痴のひとつもこぼしたくなる気持ち、わかります。
でも、やっぱり句動詞を使いこなせるようになることは(もしかすると私たちが思っている以上に)大切です。
なぜなら、句動詞は特に話し言葉で頻出するからです。私の経験では、ネイティブの方はもちろんのこと、英語の上級者になればなるほど、この句動詞をうまく使いこなしている印象です。また口語のみならず、注視してみると新聞や雑誌の記事にも多く使われていることに気づきます。
何かを発見した時に、
I discovered it. と言うより、I found it out.
出かける時に、
I will depart now. と言うより、I will set off now.
ヨガを始めた時に、
I've started Yoga recently. と言うより、I've taken up Yoga recently.
句動詞を駆使できると、より自然でソフトな英語が話せるようになるわけです。
だからこそ、英語をマスターしようと思うと、句動詞の学習は避けては通れない重要項目です。
ぜひ意識して知っている句動詞を増やしてみてください〜
★★ 次回は、星の数ほどある句動詞の効率的な学習方法をご紹介します。★★
Have a nice day!
Ari