トロイカの謎

YOKO.T

先日、受講者の方とトロイカを講座で歌いました。トロイカは本来とても暗い歌なのですが、なぜか日本ではとても明るい歌になっています。

偶然にも講座の前の日、ロシア訪問団を地方の団体が歓迎した際に、とても元気よく、日本版トロイカを歌って歓迎してくださいました。

「走れトロイカ朗らかに、鈴の音高く。。。」これが日本のトロイカ。。

そして、ロシアのトロイカの歌詞を訳すと。。。

「郵便トロイカは疾走する、冬の母なるヴォルガを。御者は悲しげに歌いながら、髪の乱れた頭を揺らす」

「お若いの、何をふさいでいるんだい?話してみなさい、誰がお前を苦しめているのかい?」

「ああ、優しい旦那さま、恋してもう一年、異教徒の地主が文句を言い始めて、私は耐え忍んでいるんです。」

「もうすぐクリスマス、でも彼女はもう私のものじゃない、いやらしい金持ちが彼女をかすめっとっていったんです」

「彼女はもう楽しい日々を送れないだろう」

いかがです?本当はこんな悲しい歌なんです。。

という、お話しを受講者の方にしたのもつい先日でしたが、私が会員になっている日本ユーラシア協会の機関をみていたら、「楽しいトロイカ、その理由は」という記事が出ていました。

ロシア民謡の多くを訳詞し紹介したのは、「楽団カチューシャ」の森おくじさんでした。

ユーラシア協会で語ったところによると、「トロイカを訳詞の対象として取り上げたとき、内容が悲しすぎ当時の日本の世相にふさわしくないと考え、明るい内容で作詞した」ということだったようです。当時というのは1952年に発表されたので、戦後、皆さんが必死になって生きていた時代ですね。

ところで、トロイカというと、ロシアの方は、「どっちの?」と聞きます。郵便トロイカと「ブラーホフのトロイカ」というものがあるようですよ。。。

https://www.youtube.com/watch?v=ODrd6jSYwHQ

歌は発音を鍛えるのにとてもいいですよ!

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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