今回のお題は「複数形」です。日本語ネイティブの外国語学習において、やっかいなものの一つにランクインするのが複数形ではないでしょうか。なぜなら、日本語では複数を表すのに必ずしも複数形を用いる必要がないからです。名詞の後ろに「~たち・~ら・~々」を付けることにより複数を表すことはあるものの、文中に複数であることを示唆する形容詞・副詞等があれば、敢えて名詞自体を複数形にしなくても済みますよね。というわけで、特に英語やヨーロッパの言語のように単数・複数を厳密に区別しなければならない場合、「めんどくさくてやってらんないや!!」となってしまいがちです。
ところで、この複数形問題、韓国語においてはどうなっているのでしょう?韓国語にも複数形は存在しますが、日本語に極々近いと言っていいと思います。文中に複数を思わせる表現があれば、名詞は敢えて複数形にする必要はありませんからね。例として、人が複数いる状況を表したい時は、下に示す二つのパターンのどちらでも構いません。
❶사람이 많아요.[サラミマナヨ](人が多いです。)
❷사람들이 많아요.[サラムドゥリマナヨ](人々が多いです。)
ホッ、日本語にそっくりで一安心です^^この「~たち・~ら・~々」を表す「들[ドゥル]」ですが、人やその他の生物のみならず事物(「本」やら「事件」やら……)にも付きます。ただ、私達の想像の斜め上を行く、こんな使い方も!
★おいしく召し上がってください。→【単数バージョン】맛있게 드세요.[マシッケドゥセヨ]【複数バージョン】맛있게들 드세요.[マシッケドゥルドゥセヨ]
★お疲れ様でした。→【単数バージョン】수고하셨어요.[スゴハショソヨ]【複数バージョン】수고들 하셨어요.[スゴドゥルハショソヨ]
「単数バージョン」は一人に対して言う場合、「複数バージョン」は複数人に対して言う場合を意味しています。複数バージョンでは、何だかとんでもないところに「들」がくっ付いていますよね^^;まさかの「そんなトコまで複数形?!」ですが、ネイティブにとっては至って自然な言い回しなんですよ!