こんにちは
時代の流れについて行こうと努力するシェフ・スズキです。

３５年以上も前・・・・
場所は東京・・・
料理見習いで入社したレストランでの事・・・・
給料は４１，０００円
同期入社は４人
どいつもこいつも・・・突っ張り野郎だ
４５度の伊達メガネ・・・リーゼント・・・眉間に剃り・・・

爺さんのパン職人を子供のころから観ていたオイラは・・
大学受験を辞めて料理人を志す
ならば・・・・なぜにパン職人にならないのか？
パン職人は朝が早い！・・・・早起きは苦手だ。

当時のレストランでは
チーフシェフを親方と呼んだ
親方は神様だ・・・仕事は忙しい時だけ働く
働く時間は夕方の数時間だけ・・・

オイラの担当は・・・食材の仕込み
半年タームで仕事担当が変わる

半年後・・ストーブ前（加熱調理をする）の見習になる
見習いは・・・見習いで、加熱食材の手配をするだけで、調理はできない。
鍋洗い、冷蔵庫掃除、後かたずけ・・・が見習いの仕事だ

数人が一度に入れる大型冷蔵庫の掃除は毎日行う・・・
”親方”のウイスキーも冷蔵庫に・・・
まいにちチョビチョビと親方のウイスキーを盗み飲む
匂わないように・・・そのあとで牛乳を飲む。

ストーブ前は熱い
４０度ほどの熱さが何時間も体をむさぼる・・・
”氷みず”が必要だ！
調理用白ワインに砂糖水を加えた特性ジュースを飲みながら調理をする
食事はご飯に氷水をかけたのを・・・噛まずに飲み込む

ストーブは鉄製・・・
仕事が終わると・・・・砥石でストーブの上に乗り、油磨きをする
毎日毎日・・・・磨く
先輩たちに隠れて・・・びしょ濡れの下着をガスを止めたオーブンに入れる
乾かないと・・・ノーパンで帰ることになる。

ガス台ストーブに乗り磨きながら体を移すと・・・
コンロからガスの臭いが・・・？？？？？
先輩は・・・マッチをすり、ガス台に投げる・・・”ボ！”と燃える音
何かの焼ける臭いがする・・・
オイラの前髪が・・・前髪が燃えている！！！
慌てて消すと・・・先輩たちの笑いが聞こえる。
世にいう・・・イジメであるのだが・・・愛情のあるいじめだ。
見習いは必ず通る道・・・ここでやめる新米もいると聞く

先輩たちが調理場を離れてから・・・オイラの下着をオーブンから取り出す。
と・・・下着は跡形もなく、黒く焦げている
先輩たちが・・・・閉めたガスを開けて全開にしたのだ！。
煙の出るオイラのパンツ
先輩が戻ってきた・・・・
”オーブンは調理器具だ。食材を加熱するオーブンでパンツ乾かすな！”と頭を殴られた。
反省反省・・・・

鍋やフライパンなどを洗う場所を”洗い場”と呼んでいた
驚くほどの鍋や調理器具が・・・洗い場に・・・
洗う事にもセンスが必要だ。
時間をかけて洗うのなら・・・馬鹿でもできる
短時間で洗いきる！
のろまな見習いには・・・先輩がナイフを見習いの尻につけて教育する
これも・・・いじめだと思うのだが・・・・
何人かの見習いは尻にナイフが刺さったと聞く・・・

セクシャルハラスメント？？・・・なんじゃそれ？

そんな時代もあった事を・・・今では楽しい思い出で残っている。

ちなみに・・・・オイラはこの店で三代目のスズキと呼ばれた。
初代スズキは・・・羽田空港から密航しようとして警察に捕まる。
二代目は・・・寮の外壁に”０００反対”などとペンキで書き・・・警察に捕まる。
そして・・・・オイラは無事に過ごしている

他にも・・・
漂白剤事件
青澄事件
ウナギ事件など‥・・・ありました。

こんなコラムを書きながら・・・巻きずしを食べるシェフ・スズキです。