※「レッスンの余白」は、わたしが日本語教師をする中で感じたこと、
思ったことをお伝えするコラムです。
大学院入試の季節です。
私のところにも、
大学院入試の口頭試験のご相談がよくあります。
ただ、ご相談をいただくのは、
いつも、研究計画書を提出したあとです。
研究計画書を拝見(はいけん)して、いつも思うのは、
研究計画書を提出する前に相談してほしかった、ということです。
研究計画書を提出した後では、
その研究計画書を前提(ぜんてい)に、
口頭試験の練習を考えざるを得ませんが、
もし、研究計画書の段階でご相談いただいたら、
研究計画書を修正(しゅうせい)して、
口頭試験に対して、万全(ばんぜん)の備(そな)えをすることができます。
そこで、
これまで多くの方の研究計画書を拝見(はいけん)した経験から、
研究計画書を書くに当たって、
気をつけていただきたいことを5つにまとめました。
第一条:すべてはアウトラインから
まずは、アウトラインを作って、
そのアウトラインの論理的整合性(ろんりてきせいごうせい)、
ご自分の研究が十分にアピールできるかを検討しましょう。
第二条:研究の新しさを強調
大学院入試で重視されるのは、
その研究の斬新性(ざんしんせい)/新しさ/オリジナリティです。
学問は、過去の研究の上に、
新しい知見を付け加える作業ですから、
先行研究をレビューすることも大切ですが、
そこにご自分の新しい視点、方法を付け加えることがもっと大切です。
第三条:文章は短くてよい
研究計画書の中には、
長くて複雑な論理を展開しようと
思っていらっしゃる方も見られますが、
大切なのは、
整合性(せいごうせい)のある論理を短い文章でわかりやすく伝えることです。
入試の担当をされる先生が、
必ずしも、ご自分の研究領域の先生であるとは限りません。
どのような領域を研究している方にも、
わかりやすく、ご自分の研究計画を伝えることが、
研究計画書を作る時、一番大切なことです。
第四条:引用と解釈は明確に分ける
研究計画書を拝見(はいけん)していて、
それが、先行研究からの引用なのか、
ご自分の解釈や意見なのかが
はっきりとわからない文章に出会うことがあります。
文章の中で、
引用部分とご自分の解釈を明確に分けて書くことは、
研究計画書の基本です。
第五条:言葉の定義を常に意識
また、研究を進める上で、
それぞれの言葉の定義を明確にして、
論理を進めることが大切です。
研究計画書の中の、重要な言葉、概念に関しては
口頭試験でも、その定義の説明を求められることがあります。
研究計画書を書くとき、
重要な言葉、概念に関しては
常に、その定義を考えながら書きましょう。
また、言葉で正確に説明できるようにしましょう。
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この5つは
多くの方に共通して申し上げたいことで、
それぞれの方には、それぞれの方に合わせたアドバイスをいたします。
私は、以下のレッスンで、
研究計画書作成のアドバイスも行なっています。
留学生の皆さんが、
ご自分の夢を叶(かな)えられるようお手伝いしたいと思っています。
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KOBA
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