Thumbnail Image

本番の緊張感を味方につける!

Shibashiba

本番に強い人は緊張しないのか?


本番には強い方ですか?

世の中には本番になるとなぜか力が出てくる人と、本番で思うように実力が発揮できない人がいるようです。

では、本番に強い人が緊張しないかというと、実はそんなことはありません。
私自身、本番には強い方ですが、人前で何かするにしても試験を受けるにしても、かなり緊張します。

私だとあまり説得力がないかもしれないので(笑)、その道の第一人者の言葉に耳を傾けてみましょうか。

大物は緊張しないのか


前にボクサーのジョージ・フォアマンとモハメッド・アリについて少し書きました。この時の試合について、フォアマンが実に興味深いことを言っています。

彼らが対戦したとき、フォアマンは世界チャンピオンでアリが挑戦者でした。前評判は圧倒的にフォアマンが有利だったにも関わらず、激戦を制したのはアリ。

フォアマンは後にBBCのインタビューに答え、通常試合前にはとても緊張するのに、この試合のときは緊張しなかったと語っています。

緊張した試合では勝っていたのに、緊張しなかったら負けた…
敗因については専門家がいろいろと分析していますが、もしかすると慢心もあったかもしれませんね。

もうひとりはフランスの伝説的な名優であるジャン=ルイ・バロー。
1910年生まれ、1994年に亡くなりました。映画好きなら『天井桟敷の人々』でご存じかもしれません。

ある日、劇団の若い女優が「私、舞台で上がっちゃうことなんてないわ」と言うのを聞いて、こう答えたそうです。

「お嬢さん、心配にはおよびません。才能と共に緊張もやってきますから」

き、きつい…

緊張するのは良いこと


緊張を和らげる方法はいろいろあります。
それについては、またいずれ書きたいと思います。

その前に今回ぜひお伝えしたいのは、緊張は敵ではないということです。

緊張しすぎている時には、自分にこう言ってあげましょう。

「うん、緊張している。これはいい」

そんなことはとても言えないという人は

「緊張してるな。当たり前だ。しないはずがない」

というのはどうでしょうか?

「緊張するな」とか「緊張してる!まずい!」などと思うと余計に緊張します。

「今緊張してるな」
自分が緊張しているということを客観視します。

「緊張するのは当たり前だ」
自分の緊張を受け入れてあげます。

それだけでも少しほぐれます。

私は本番のとき

「緊張してるな。これで眠くなることはない」

と思うこともあります。

ちなみに、受験で緊張しないよう薬を飲む人もいますが、眠くなるリスクが高いので要注意です。

それより緊張を味方に付けましょう。

「今こそ練習ではなく本番だ。
逃げも隠れもしないぞ。
今持っている力で勝負するっきゃない。」

そう思えば力が湧いてきます。
緊張しているあなたは、正しいのです。

 

Added to Saved

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

Comments (0)

Login to Comment Log in »
Recommend ribbon

from:

in:

Unterrichtet

Language Fluency

Japanisch   Native
Englisch   Fluent
Französisch   Fluent

Shibashiba's beliebteste Kolumneneinträge

  • おもしろいフランス語表現 - よく舐められた子熊?!

     Un ourson bien léché. フランス語を直訳すると「よく舐められた子熊」実は、しつけの良い子、お行儀のいい子という意味です。 母熊...

    Shibashiba

    Shibashiba

    0
    6621
    Jun 30, 2020
  • 「一寸の虫にも五分の魂」-私が好きな日本語の言葉

    子どものころから好きな言葉。「一寸の虫にも五分の魂」簡単に踏みつぶせるように見えるかもしれない。でもね、どんな小っちゃな虫にだって魂はあるんだよ!「魂」とは、死後の魂のことではありません。精神力とか...

    Shibashiba

    Shibashiba

    0
    6341
    Jul 15, 2020
  • フランス語のことわざ - Qui ne tente rien n'a rien.

    直訳すると「何も試さない者は何も得ることがない」というフランスのことわざ。15世紀ベルギーの哲学者の言葉「サケを釣るには小魚を手放さなければならない」が元になっているという説も。日本の、というか中国...

    Shibashiba

    Shibashiba

    0
    6172
    Aug 30, 2020
  • ベルギーの詩人、アンリ・ミショー

    好きな詩人と聞かれるとちょっと困ってしまうけれど、今回はアンリ・ミショーを挙げようと思います。   ミショーは19世期の最後の年である1899年に生まれ、1984年に没したベルギーの詩...

    Shibashiba

    Shibashiba

    0
    5910
    Jul 30, 2020
« Back to List of Tutor's Column
Got a question? Click to Chat