宿題をちゃんと見ているのに,成績が伸びない。
実は,よくあります。
宿題を細かく全部チェックしている親。
反対に,子どもに任せてほとんど見ない親。
この両方に共通しているのは,
宿題を見る場所が少しズレていることです。
もちろん,忙しい中で宿題を見ていること自体,
お子さんを思っている証拠です。
ただ,その「一生懸命な視点」を
ほんの少し変えるだけで,
お子さんの伸び方は大きく変わることがあります。
大切なのは,答えを直すことではありません。
どこで考え方がズレたのかを見ることです。
■ 見るべきは「答え」ではなく「ズレ」
例えば,数学の計算問題で,
子どもがノートにこう書いていました。
(−2)³ = −6
これを見て,あなたなら何と言いますか。
A:3乗はそうじゃないよ。答えは −8 だよ。
B:惜しい。もう一回考えてみよう。
C:途中式を書かなかったのはどうして?
もちろん,答えを教えること
自体が悪いわけではありません。
でも,それだけで終わると,
考え方のズレは残ってしまいます。
本当に見るべきは,答えそのものではありません。
なぜ,このミスが起きたのかという背景です。
指数の意味を,まだ正確につかめていなかったのか。
「3乗」を「−2 × 3」のように処理してしまったのか。
途中式を省いて,頭の中だけで計算したのか。
親が見るべきなのは,
こうした「思考のクセ」という小さなズレです。
「答えが違うよ」と言う代わりに,
「これ,途中式を書かなかったのはどうして?」
と聞いてみる。
すると子どもは,正解を当てる作業ではなく,
自分の考え方を見直す学習に変わっていきます。
ただし,ここで親の方が気合いを入れすぎると,
「途中式は?」
「なんで書いてないの?」
「前も言ったよね?」
と,いつの間にか家庭学習名物
「途中式取り調べ」になってしまうことがあります。
すると子どもは,
「あ,またノートチェックの時間か……」
と身構えてしまいます。
これもまた,子どものことを一生懸命見ている
親御さんの「あるある」かもしれません。
大切なのは,
途中式を書かせて責めることではありません。
途中式から,どこで考え方がズレたのかを
一緒に見つけることです。
一緒に見つけることです。
■ 途中式にはクセが出る
先ほどの間違いには,もう一つヒントがあります。
式の右に「= −6」と書いている点です。
これは,途中式を残す意識が
弱いサインかもしれません。
暗算で解いた方がかっこいいと
思っているのかもしれません。
途中式を書くときは,右へ右へと長く付け足すより,
下にそろえて書く方が流れは見えやすくなります。
たとえば,次のように書くと見やすくなります。
(−2)³
= (−2) × (−2) × (−2)
= −8
暗算して2行目を書かなかったとしても,
式の下に「= −8」と書く形になります。
ノートを少し広めに使い,途中式を残す。
これだけでも,ミスを減らす大きな助けになります。
■ 答えが合っていても,途中式に問題がある
もう一つ例を見てみましょう。
次の計算では,どこに問題があるでしょうか。
56 ÷ (−7) − 4 × (−5)
= 12
「式の下に答えを書いているし,答えも合っている」
と思われたかもしれません。
確かに,答えは合っています。
でも,この書き方には問題があります。
わり算,かけ算,引き算を一度に
頭の中で処理している点です。
これは,計算ミスを引き起こしやすい習慣です。
複数の計算を暗算でするのではなく,
下のように途中式を残した方が安全です。
56 ÷ (−7) − 4 × (−5)
= −8 + 20
= 12
「自分は暗算でできるけれど,
ここはあえて途中式を書く」
そう判断できる子が,本当に計算に強い子です。
一見,暗算の方が速く見えます。
しかし,見直しまで含めると,
途中式を残す方が安全で,
結果的には速いことも多いのです。
答えが合っていても,
途中式に問題があることはあります。
こうしたクセは,高校数学になるほど大きく響きます。
そして,多くの場合,本人では気づけません。
だからこそ,親が見るべきなのは「答え」ではなく,
途中式に出ている小さなズレなのです。
■ 伸びる家庭では,途中式を責めずに見る
伸びる家庭では,途中式を書いていないことを
すぐに責めません。
答えが合っているかどうかだけでなく,
子どもがどこまで
自分で考えられているかを見ています。
「なんで書いてないの?」
ではなく,
「ここは頭の中でどう考えた?」
「この行までは合っていそうね」
「どこから変わったのかな?」
と聞いてみる。
そうすると,途中式は叱る材料ではなく,
子どもの考え方を知る手がかりになります。
子どものノートには,
点数表には出てこない情報が残っています。
どこで止まったのか。
どこを飛ばしたのか。
どの考え方を使おうとしたのか。
そこを見られると,宿題はただの提出物ではなく,
次の学習につながる材料になります。
■ 宿題は「思考を知るサンプル」
宿題は,正解の丸を増やすための
作業だけではありません。
子どもの考え方がどこでズレやすいかを
見つけるための“サンプル”です。
どこに口を出すか。
その一点で,成績は静かに,しかし確実に変わります。
大切なのは,全部を直すことではありません。
まずは,成績が伸びにくくなっている“ズレ”を
一つ見つけることです。
今回の途中式の例は,
私が普段の指導で使っている
「じょん先生オリジナル集【目からウロコのコツ】」
からの一例です。
宿題を見ているのに成果が出ない場合,
必要なのは「もっと厳しく見ること」ではなく,
「見る場所を変えること」かもしれません。
■ 25分体験では,ノートからズレを見ます
こうしたズレは,
お子さん本人だけでは気づきにくいものです。
25分の体験レッスンでは,
お子さんのノートや解き方を一緒に見ながら,
どこで学習がズレているのかを整理します。
「宿題はやっているのに伸びない」
「親として,どこを見ればよいのか分からない」
そう感じている方は,一度,
お子さんのノートを一緒に見直してみませんか。
まずは25分で,
途中式に出ている小さなズレを確認していきます。
家庭学習でよく起こるつまずきについて
こちらもあわせてご覧ください。
■ スマホとの向き合い方について
第8回:スマホ戦争|取り上げるより「契約」した方がうまくいく理由
■ 子どもが答えやすくなる問いかけについて
第10回:「分かった?」では分からない|思考を止めない問いかけ
※次回公開予定
実は,よくあります。
宿題を細かく全部チェックしている親。
反対に,子どもに任せてほとんど見ない親。
この両方に共通しているのは,
宿題を見る場所が少しズレていることです。
もちろん,忙しい中で宿題を見ていること自体,
お子さんを思っている証拠です。
ただ,その「一生懸命な視点」を
ほんの少し変えるだけで,
お子さんの伸び方は大きく変わることがあります。
大切なのは,答えを直すことではありません。
どこで考え方がズレたのかを見ることです。
■ 見るべきは「答え」ではなく「ズレ」
例えば,数学の計算問題で,
子どもがノートにこう書いていました。
(−2)³ = −6
これを見て,あなたなら何と言いますか。
A:3乗はそうじゃないよ。答えは −8 だよ。
B:惜しい。もう一回考えてみよう。
C:途中式を書かなかったのはどうして?
もちろん,答えを教えること
自体が悪いわけではありません。
でも,それだけで終わると,
考え方のズレは残ってしまいます。
本当に見るべきは,答えそのものではありません。
なぜ,このミスが起きたのかという背景です。
指数の意味を,まだ正確につかめていなかったのか。
「3乗」を「−2 × 3」のように処理してしまったのか。
途中式を省いて,頭の中だけで計算したのか。
親が見るべきなのは,
こうした「思考のクセ」という小さなズレです。
「答えが違うよ」と言う代わりに,
「これ,途中式を書かなかったのはどうして?」
と聞いてみる。
すると子どもは,正解を当てる作業ではなく,
自分の考え方を見直す学習に変わっていきます。
ただし,ここで親の方が気合いを入れすぎると,
「途中式は?」
「なんで書いてないの?」
「前も言ったよね?」
と,いつの間にか家庭学習名物
「途中式取り調べ」になってしまうことがあります。
すると子どもは,
「あ,またノートチェックの時間か……」
と身構えてしまいます。
これもまた,子どものことを一生懸命見ている
親御さんの「あるある」かもしれません。
大切なのは,
途中式を書かせて責めることではありません。
途中式から,どこで考え方がズレたのかを
一緒に見つけることです。
一緒に見つけることです。
■ 途中式にはクセが出る
先ほどの間違いには,もう一つヒントがあります。
式の右に「= −6」と書いている点です。
これは,途中式を残す意識が
弱いサインかもしれません。
暗算で解いた方がかっこいいと
思っているのかもしれません。
途中式を書くときは,右へ右へと長く付け足すより,
下にそろえて書く方が流れは見えやすくなります。
たとえば,次のように書くと見やすくなります。
(−2)³
= (−2) × (−2) × (−2)
= −8
暗算して2行目を書かなかったとしても,
式の下に「= −8」と書く形になります。
ノートを少し広めに使い,途中式を残す。
これだけでも,ミスを減らす大きな助けになります。
■ 答えが合っていても,途中式に問題がある
もう一つ例を見てみましょう。
次の計算では,どこに問題があるでしょうか。
56 ÷ (−7) − 4 × (−5)
= 12
「式の下に答えを書いているし,答えも合っている」
と思われたかもしれません。
確かに,答えは合っています。
でも,この書き方には問題があります。
わり算,かけ算,引き算を一度に
頭の中で処理している点です。
これは,計算ミスを引き起こしやすい習慣です。
複数の計算を暗算でするのではなく,
下のように途中式を残した方が安全です。
56 ÷ (−7) − 4 × (−5)
= −8 + 20
= 12
「自分は暗算でできるけれど,
ここはあえて途中式を書く」
そう判断できる子が,本当に計算に強い子です。
一見,暗算の方が速く見えます。
しかし,見直しまで含めると,
途中式を残す方が安全で,
結果的には速いことも多いのです。
答えが合っていても,
途中式に問題があることはあります。
こうしたクセは,高校数学になるほど大きく響きます。
そして,多くの場合,本人では気づけません。
だからこそ,親が見るべきなのは「答え」ではなく,
途中式に出ている小さなズレなのです。
■ 伸びる家庭では,途中式を責めずに見る
伸びる家庭では,途中式を書いていないことを
すぐに責めません。
答えが合っているかどうかだけでなく,
子どもがどこまで
自分で考えられているかを見ています。
「なんで書いてないの?」
ではなく,
「ここは頭の中でどう考えた?」
「この行までは合っていそうね」
「どこから変わったのかな?」
と聞いてみる。
そうすると,途中式は叱る材料ではなく,
子どもの考え方を知る手がかりになります。
子どものノートには,
点数表には出てこない情報が残っています。
どこで止まったのか。
どこを飛ばしたのか。
どの考え方を使おうとしたのか。
そこを見られると,宿題はただの提出物ではなく,
次の学習につながる材料になります。
■ 宿題は「思考を知るサンプル」
宿題は,正解の丸を増やすための
作業だけではありません。
子どもの考え方がどこでズレやすいかを
見つけるための“サンプル”です。
どこに口を出すか。
その一点で,成績は静かに,しかし確実に変わります。
大切なのは,全部を直すことではありません。
まずは,成績が伸びにくくなっている“ズレ”を
一つ見つけることです。
今回の途中式の例は,
私が普段の指導で使っている
「じょん先生オリジナル集【目からウロコのコツ】」
からの一例です。
宿題を見ているのに成果が出ない場合,
必要なのは「もっと厳しく見ること」ではなく,
「見る場所を変えること」かもしれません。
■ 25分体験では,ノートからズレを見ます
こうしたズレは,
お子さん本人だけでは気づきにくいものです。
25分の体験レッスンでは,
お子さんのノートや解き方を一緒に見ながら,
どこで学習がズレているのかを整理します。
「宿題はやっているのに伸びない」
「親として,どこを見ればよいのか分からない」
そう感じている方は,一度,
お子さんのノートを一緒に見直してみませんか。
まずは25分で,
途中式に出ている小さなズレを確認していきます。
家庭学習でよく起こるつまずきについて
こちらもあわせてご覧ください。
■ スマホとの向き合い方について
第8回:スマホ戦争|取り上げるより「契約」した方がうまくいく理由
■ 子どもが答えやすくなる問いかけについて
第10回:「分かった?」では分からない|思考を止めない問いかけ
※次回公開予定
Cocoro111
2026년 5월 14일
途中式取り調べで笑ってしまいました。というのも、昔の私のことだったので。そして、今は関与しない親になってしまい、質問して今学んだことを教えてもらって驚くだけになってしまいました!
なるほど、もう少し、本人のケアレスミスの経緯を質問するという方法もありそうです
とはいえ、どういう切り口で突然ノートを見せてもらうのか、、、ちょっと色々試行錯誤してみようと思いました!いつも学びをありがとうございます!