日本語・韓国語講師の Hayoung_Eiko です ^ ^
レッスンのあと、
「もう5月ですね」と話していたときのことでした。
ふと、頭に浮かんだのは、こんなこと。
日本では、5月は春のひとつで、
3月や4月とは、どこか少し違う温度がある。
あたたかさの中に、少しだけ元気が増えてきたような。
そんな空気を思い浮かべていたとき、
ふと、別の呼び方がよぎります。
同じ5月でも、
その呼び方に変えた瞬間、
思い浮かぶ景色が、静かに切り替わります。
たとえば皐月(さつき)は、
「さ(早苗)」に由来し、田植えの時期と結びついた名前。
五月雨(さみだれ)は、
旧暦5月の雨を指す言葉で、
しっとりとした空気や湿り気を感じさせる。
早苗月(さなえづき)という呼び方には、
芽吹いたばかりの苗や、これから育っていく時間が重なる。
梅の色月(うめのいろづき)という呼び方もありました。
梅雨という言葉は、梅の実が熟する頃の長雨に由来するといわれています。
旧暦の5月は、ちょうどその時期。
青かった実が、少しずつ色づいていく。
その変化を、そのまま名前にしたのが「梅の色月」なのかもしれません。
また、「梅月(うめづき・ばいげつ)」という呼び方も残っています。
一方で、午月(ごげつ)という呼び方もあります。
端午(たんご)の節句が行われる月、という意味を持つ言葉です。
もともとは月初めの「午(うま)の日」の行事でしたが、
のちに5月5日へと定着していきました。
この時期は、疫病や害虫に悩まされることも多く、
邪気を払い、無事を願う意味が込められていたそうです。
同じ5月でも、
自然の変化を見ていた言葉と、
人の祈りを重ねた言葉がある。
どの言葉を選ぶかで、
見えてくる5月は、少しずつ違ってくる。
今日という時間を、
あなたはどんな景色で、どんな言葉で呼びますか。
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