夏になると、台湾と日本ではそれぞれ「あの世」とつながる特別な時期を迎えます。
台湾では旧暦7月の「鬼月(グイユエ)」、日本では8月中旬の「お盆」ですね。
ところで、台湾では彷徨う霊や幽霊のことを親しみを込めて「好兄弟(ハオシオンディー=良い兄弟)」と呼ぶのをご存知ですか?
どちらも仏教の「盂蘭盆会」を一つのルーツに持ちながら、なぜ台湾では幽霊を「兄弟」と呼び、日本では「ご先祖様」を温かく迎えるのでしょうか?今回は、この不思議な違いと言語表現を深掘りしていきましょう!
台湾:幽霊を「兄弟」と呼ぶ博愛と畏怖の「鬼月」
台湾では、旧暦7月1日に地獄の扉が開く「鬼門開(グイメンカイ)」から、7月末の「鬼門閉」までの丸1ヶ月間を「鬼月」と呼びます。
1. なぜ幽霊が「好兄弟(兄弟)」なのか?
台湾の鬼月信仰は、儒教・道教・仏教の習合に加え、初期の台湾開拓史と深く結びついています。かつて台湾へ渡った開拓民たちは、激しい疫病や海難事故、集落間の抗争(分類械鬥)などで身寄りのないまま命を落とすことが少なくありませんでした。
行き場を失った無縁仏の祟りを恐れると同時に、「過酷な時代を共に生きた仲間」として憐れみ、敬意を表して「鬼(幽霊)」ではなく「好兄弟」と呼ぶようになったのです。ここには台湾ならではの「以礼相待(礼を尽くして和解する)」という温かい人情が込められています。
2. 「まずは礼を尽くし、最後は武力で」:鬼神・鍾馗の出番!
台湾の鬼月には、とても興味深い「先礼後兵(まずは礼儀正しくもてなし、従わなければ武力を行使する)」という民俗哲学があります。
1ヶ月間、好兄弟をお腹いっぱいもてなした後、それでもあの世へ帰ろうとしない悪霊や居座る霊に対して登場するのが、道教の最強の鬼払い神「鍾馗(zhōng kuí/ジョンクイ/ㄓㄨㄥ ㄎㄨㄟˊ)」です。
⁘ 跳鍾馗(ティアオジョンクイ):
普度の儀式が終わった深夜や鬼門閉の際、道士や伝統芸能の役者が鍾馗の隈取り(フェイスペイント)をして舞い、剣や法具を使って悪霊を威嚇し、地獄へと追い返します。この儀式は殺気が非常に強いため、一般の人は決して見てはならず、見ると魂を奪われる(煞気に当てられる)という厳格なタブーが存在します。


【写真提供・クレジット】 Photo by CJ CYC
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3. その他の代表的な風習と禁忌
⁘ 中元普度(プードゥー):各家庭や会社、寺廟の前に豪華な料理を並べ、街を彷徨う好兄弟をもてなす合同供養。
⁘ 搶孤(チーグー):牛脂を塗った巨大な柱によじ登って供物を奪い合うダイナミックな祭事。
⁘ 夏のタブー(禁忌):水辺で泳がない、夜に口笛を吹かない、他人の肩や頭を叩かない(人間に宿る3つの火を消さないため)など。
§ 中国語ミニレッスン §⁘ 好兄弟(hǎo xiōng dì /ㄏㄠˇㄒㄩㄥ ㄉ一ˋ):彷徨う無縁仏(敬称)
⁘ 鬼門開(guǐ mén kāi / ㄍㄨㄟˇ ㄇㄣˊ ㄎㄞ):鬼門が開く
⁘ 中元普度(zhōng yuán pǔ dù / ㄓㄨㄥ ㄩㄢˊ ㄆㄨˇ ㄉㄨˋ):中元節の合同供養祭
⁘ 禁忌(jìn jì / ㄐㄧㄣˋㄐㄧˋ):タブー・やってはいけないこと
日本:愛する家族を迎えて送る「お盆」
台湾が「外の無縁仏(好兄弟)へのもてなしと警戒」に重きを置くのに対し、日本の「お盆」(8月13日〜16日頃)は「家族のルーツへの感謝と里帰り」が中心です。
1. お盆の核心は「祖霊信仰」
日本のお盆は、仏教の『盂蘭盆経』と日本古来の「神道・祖霊信仰」が融合したものです。この期間、ご先祖様(ご先祖様)があの世から自分の家に帰ってくると信じられているため、儀礼の舞台は主に「自宅の仏壇」や「お墓」になります。
2. ユーモアと情緒にあふれる儀式
⁘ 精霊馬(しょうりょううま)と精霊牛(しょうりょううし):
⁘ きゅうり(馬):「一刻も早く家に帰ってきてほしい」という願い。
⁘ なす(牛):「お供え物をたくさん持って、ゆっくり帰ってほしい」という名残惜しさ。
⁘ 迎え火・送り火(むかえび・おくりび):迷わず家に辿り着けるように門口で火を焚き、最終日には京都の「五山送り火」のように光で霊を送ります。
⁘ 盆踊り(ぼんおどり):元々は精霊を慰める念仏踊りでしたが、現代では夏の風物詩・コミュニティの祭りとして愛されています。
単語や文法を覚えるだけでなく、その背景にある歴史や民俗のストーリーを知ることで、語学学習は何倍も面白くなります!
我們下次見啦 ! (wǒ mén xià cì jiàn lā ! / ㄨㄛˇ ㄇㄣ˙ ㄒㄧㄚˋ ㄘˋ ㄐㄧㄢˋ ㄌㄚ˙!)
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