皆さんは、学校や職場でメモを取るとき、たまたま手元にあった赤ペンで台湾人の友達の名前を書こうとして、「ダメダメ!赤ペンで名前を書いちゃ絶対にダメ!」と真剣な顔で止められたことはありませんか?
また、台湾の友達に新築祝いを贈ろうとしたとき、「時計」や「傘」は避けたほうがいいと言われたことはありませんか?
一方、日本の街角で霊柩車を見かけたとき、親指を手のひらの中に隠す人や、寝るときに北枕を避ける人がいます。
外国人から見ると、どれも少し不思議な習慣ですよね。
実は、世界中には科学的な根拠があるわけではないけれど、昔から人々の間で受け継がれてきた「迷信」や「生活のタブー」がたくさんあります。
今回は、思わず「えっ、そうなの?」と言いたくなる台湾と日本の日常的な迷信を比較しながら、その背景にある文化や人々の思いを探ってみましょう!
◆ 一、台湾の定番タブー:赤い文字と縁起を気にする文化
台湾の日常的なタブーには、死を連想させるものや、言葉の発音が似ていることから生まれたものが多くあります。
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赤ペンで人の名前を書いてはいけない!
台湾では、生きている人の名前を赤ペンで書くことは、縁起が悪いとされています。
その由来にはいくつかの説があります。
・歴史的な背景:昔、朱砂(しゅさ)などの赤い顔料が重要な記録や刑罰に関する文書に使われていたことから、赤い文字が刑罰や不吉な出来事を連想させるようになったという説があります。
・民間信仰:閻魔大王が持つ「生死簿(せいしぼ)」に赤い筆で名前を記すと、その人の寿命が尽きるという言い伝えもあります。
また、お墓に刻まれる名前の色なども、こうしたイメージと結び付けて語られることがあります。
そのため、赤ペンで生きている人の名前を書くと、相手の寿命を縮めてしまう、あるいは不幸を招くと考える人がいるのです。
もちろん、現代では気にしない人もいますが、年配の方や伝統的な習慣を大切にする人の前では避けたほうが無難です。
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贈り物に「時計」と「傘」は避けたほうがいい?
台湾では、贈り物を選ぶときにも、発音や言葉の意味を気にする習慣があります。
特に有名なのが、次の2つです。
・時計を贈る(送鐘 / Sòng zhōng)
中国語の「送鐘(時計を贈る)」は、「送終(最期を看取る、葬送をする)」と発音が同じです。
そのため、時計を贈ることは相手の死を連想させるとして、縁起が悪いと考えられています。
・傘を贈る(送傘 / Sòng săn)
「傘(săn)」の発音は、「散(săn)」と似ています。「散」には、別れる、散り散りになるという意味があります。
そのため、恋人や親しい友人に傘を贈ると、関係が離れてしまうのではないかと心配する人もいます。
ちなみに、どうしても時計や傘を贈りたい場合には、ちょっと面白い解決方法があります。
相手に1元や10元などの小銭を渡してもらい、「プレゼント」ではなく「買ってもらった」という形にするのです。
こうすれば贈り物ではなく売買になるので、縁起の悪さを避けられると考えられています。
ただし、こうした考え方も人や家庭によって異なります。
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その他の身近なタブー
台湾には、ほかにもこんな言い伝えがあります。
・夜に月を指さしてはいけない:月を指さすと、耳を切られるという言い伝えがあります。
・夜に室内で傘を開いてはいけない:よくないものや霊を呼び寄せてしまうと考える人もいます。
どれも科学的な根拠があるわけではありませんが、子どもの頃に親や祖父母から注意された経験がある人も多いのではないでしょうか。
◆ 二、日本の定番タブー:死を遠ざけ、家族を思う習慣
日本にも、昔から伝わる不思議な迷信がたくさんあります。
台湾のように言葉の響きを気にするものもあれば、仏教の考え方や昔の生活環境から生まれたものもあります。
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北枕(きたまくら)で寝てはいけない!
日本では、頭を北に向けて寝る「北枕」は縁起が悪いとされています。
その由来は、お釈迦様が入滅されたときの姿にあります。
仏教の伝承では、お釈迦様は頭を北に、顔を西に向けて入滅されたとされています。
その姿にならって、仏教式の葬儀では故人を北枕に安置する習慣があります。
そのため、生きている人が北枕で寝ると、死を連想させて縁起が悪いと考えられるようになりました。
ちなみに、仏教では北枕が必ずしも悪い意味を持つわけではありません。地域や家庭によって考え方も異なります。
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霊柩車を見たら「親指」を隠す!
日本で霊柩車を見かけたとき、親指をギュッと手のひらの中に隠すという習慣を知っていますか?
これは日本でよく知られている民間の言い伝えの一つです。
日本語で親指は「親の指」と書きます。
そのため、霊柩車や葬列を見かけたときに親指を隠さないと、「親の死に目に会えない」、つまり親が亡くなるときに最期を看取ることができないと言われています。
また、親指の爪の間から魂が出入りするという昔の言い伝えも関係していると考えられています。
大切な両親に長生きしてほしい、そして最期まで見守りたいという気持ちが込められているようにも感じられますね。
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夜に爪を切ってはいけない!
日本には「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という有名な言い伝えがあります。
この迷信には、主に2つの理由があるとされています。
・言葉の語呂合わせ:「夜爪(よづめ)」が「世を詰める(よをつめる)」に通じ、寿命を縮めるという意味になるため、不吉だと考えられていました。
・昔の生活の知恵:電気がなかった時代、夜は家の中が暗く、爪を切るときに指を傷つける危険がありました。そのため、子どもたちが夜に刃物を使わないように、親がこのような言い伝えを教えたという説もあります。
今では明るい照明もあり、爪切りも安全になりましたが、今でも「夜に爪を切るのは何となく嫌だな」と感じる人もいるかもしれませんね。
◆ 三、台湾と日本の文化比較:迷信の奥にある思いやり
ここまで見てきた台湾と日本の迷信には、いくつか共通点があります。
・台湾のタブー:言葉の発音や死を連想させるものを避けることで、相手の健康や幸せ、良い人間関係が長く続くことを願う気持ちが表れています。
・日本のタブー:葬送にまつわる習慣や、親の死に目に会えないという言い伝えなどには、家族や親を大切に思う気持ちが込められています。
もちろん、すべての人がこうした迷信を信じているわけではありません。また、地域や世代、家庭によっても習慣は異なります。
それでも、一見すると少し怖くて不思議な迷信の背景には、「大切な人に不幸が訪れませんように」「いつまでも幸せでいてほしい」という、人々のささやかな願いが隠れているのかもしれません。
◆ 四、レッスンで使える実用単語とフレーズ
今回のテーマに関連する中国語を5つ紹介します。ピンインと注音符号も一緒に確認してみましょう!
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禁忌
拼音:jìnjì
注音:ㄐㄧㄣˋ ㄐㄧˋ
意味:タブー、禁忌、避けるべきこと。
例文:
送禮的時候,要特別注意不要觸犯對方的禁忌。
拼音:
(Sòng lĭ de shíhou, yào tèbié zhùyì búyào chùfàn duìfāng de jìnjì.)
注音:
( ㄙㄨㄥˋ ㄌㄧˇ ˙ㄉㄜ ㄕˊ ㄏㄡˋ,ㄧㄠˋ ㄊㄜˋ ㄅㄧㄝˊ ㄓㄨˋ ㄧˋ ㄅㄨˊ ㄧㄠˋ ㄔㄨˋ ㄈㄢˋ ㄉㄨㄟˋ ㄈㄤ ㄉㄜ ㄐㄧㄣˋ ㄐㄧˋ。)
日文:
贈り物をするときは、相手のタブーに触れないように特に気をつけましょう。
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迷信
拼音:míxìn
注音:ㄇㄧˊ ㄒㄧㄣˋ
意味:迷信。
例文:
長輩說的話雖然有些像迷信,但也是一種關心。
拼音:
(Zhăngbèi shuō de huà suīrán yŏuxiē xiàng míxìn, dàn yě shì yì zhŏng guānxīn.)
注音:
(ㄓㄤˇ ㄅㄟˋ ㄕㄨㄛ ㄉㄜ˙ ㄏㄨㄚˋ ㄙㄨㄟ ㄖㄢˊ ㄧㄡˇ ㄒㄧㄝ ㄒㄧㄤˋ ㄇㄧˊ ㄒㄧㄣˋ,ㄉㄢˋ ㄧㄝˇ ㄕˋ ㄧˋ ㄓㄨㄥˇ ㄍㄨㄢ ㄒㄧㄣ。)
日文:
年配の方の話は迷信のように聞こえることもありますが、それも一種の気遣いです。
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諧音
拼音:xiéyīn
注音:ㄒㄧㄝˊ ㄧㄣ
意味:同音・類似した発音を利用した言葉遊び、語呂合わせ。
例文:
因為「傘」和「散」的發音很像,所以有些台灣人不喜歡收到雨傘當禮物。
拼音:
(Yīnwèi "săn" hé "sàn" de fāyīn hěn xiàng, suŏyǐ yŏuxiē Táiwān rén bù xĭhuān shōudào yŭsăn dāng lĭwù.)
注音:
(ㄧㄣ ㄨㄟˋ「ㄙㄢˇ」ㄏㄜˊ「ㄙㄢˋ」ㄉㄜ ㄈㄚ ㄧㄣ ㄏㄣˇ ㄒㄧㄤˋ,ㄙㄨㄛˇ ㄧˇ ㄧㄡˇ ㄒㄧㄝ ㄊㄞˊ ㄨㄢ ㄖㄣˊ ㄅㄨˋ ㄒㄧˇ ㄏㄨㄢ ㄕㄡ ㄉㄠˋ ㄩˇ ㄙㄢˇ ㄉㄤ ㄌㄧˇ ㄨˋ。)
日文:
「傘」と「散」の発音が似ているため、雨傘をプレゼントされるのを好まない台湾人もいます。
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犯忌諱
拼音:fàn jìhuì
注音:ㄈㄢˋ ㄐㄧˋ ㄏㄨㄟˋ
意味:タブーを犯す、縁起の悪いことをする。
例文:
用紅筆寫別人的名字,在台灣有些人會覺得很犯忌諱。
拼音:
( Yòng hóngbĭ xiě biérén de míngzi, zài Táiwān yŏuxiē rén huì juéde hěn fàn jìhuì. )
注音:
(ㄩㄥˋ ㄏㄨㄥˊ ㄅㄧˇ ㄒㄧㄝˇ ㄅㄧㄝˊ ㄖㄣˊ ˙ㄉㄜ ㄇㄧㄥˊ ˙ㄗ,ㄗㄞˋ ㄊㄞˊ ㄨㄢ ㄧㄡˇ ㄒㄧㄝ ㄖㄣˊ ㄏㄨㄟˋ ㄐㄩㄝˊ ˙ㄉㄜ ㄏㄣˇ ㄈㄢˋ ㄐㄧˋ ㄏㄨㄟˋ。)
日文:
赤ペンで人の名前を書くことは、台湾では縁起が悪いと感じる人もいます。
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孝順
拼音:xiàoshùn
注音:ㄒㄧㄠˋ ㄕㄨㄣˋ
意味:親孝行である、親を大切にする。
例文:
很多人認為,照顧父母、陪伴父母,就是孝順的表現。
拼音:
(Hěnduō rén rènwéi, zhàogù fùmŭ, péibàn fùmŭ, jiù shì xiàoshùn de biăoxiàn.)
注音:
(ㄏㄣˇ ㄉㄨㄛ ㄖㄣˊ ㄖㄣˋ ㄨㄟˊ,ㄓㄠˋ ㄍㄨˋ ㄈㄨˋ ㄇㄨˇ,ㄆㄟˊ ㄅㄢˋ ㄈㄨˋ ㄇㄨˇ,ㄐㄧㄡˋ ㄕˋ ㄒㄧㄠˋ ㄕㄨㄣˋ ㄉㄜ ㄅㄧㄠˇ ㄒㄧㄢˋ。)
日文:
多くの人は、両親を世話し、一緒に過ごすことが親孝行の表れだと考えています。
◆ コラムの結び
台湾で赤ペンを見て慌てる人も、霊柩車を見かけてそっと親指を隠す日本の人も、普段はあまり意識していないかもしれません。
でも、こうした何気ない行動には、昔の人々の生活の知恵や、大切な人を思いやる気持ちが受け継がれています。
文化の違いを知ることは、単に「そんな習慣があるんだ!」と驚くだけではなく、その背景にある人々の価値観や暮らしを理解することにもつながります。
皆さんの国や地域には、どんな不思議な迷信がありますか?
子どもの頃、親やおじいちゃん、おばあちゃんから言われていたことや、台湾・日本で驚いたタブーがあれば、ぜひレッスンのときに教えてくださいね!
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!
我們下次見啦!
(注音:ㄨㄛˇ ˙ㄇㄣ ㄒㄧㄚˋ ㄘˋ ㄐㄧㄢˋ ˙ㄌㄚ)
(拼音:Wŏmen xià cì jiàn la!)
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