ロンドン生活こぼれ話 その⑫ 人種差別

Sachiko

 先週末はエリザベス女王の即位60周年を記念したジュビリーと呼ばれる連休があり、あちこちでイギリスの国旗ユニオンジャックが掲げられ、「イギリス人である事を誇りに思う」等と言っていた友達もいたイギリスですが、今日は人種差別について書こうと思います。

 日本ではどうか分からないのですが、イギリスでは人種差別に対しては法律上でも厳しく取り締まっていて、人種差別的な発言や行動を取る人は逮捕される事もありますし、テレビ等で人種差別と取れる言葉を発すると厳しく批判されます。

 去年、クロイドンと言う街でトラム(路面電車)に乗っていたイギリス人の女性が、自分の子供をひざの上に載せたまま「なんでこの国は外国人ばっかりなんだ!ほら、見てみてよ、このトラムに乗ってるほとんどが外国人じゃない!」等と、汚い言葉を交えながら騒いだ事で警察に逮捕され、その動画がYouTubeにも公開された事から「ひどい、最低」等のコメントがたくさん寄せられ話題になった事があります。

 法律で厳しく取り締まると言う事は、やはり残念ながら人種差別をする人が居ると言う事なのですが、イギリスでも移民の少ない地方の方が、生活していると人種差別と取れる発言や態度を取られる事が多いと聞いた事もあります。

 私が住んでいるロンドンは、バスや地下鉄に乗っていても英語ではなく、違う国の言語が聞こえて来る事がよくある程移民の多い街なので、七年半暮らしてきた中で、外国人だと言う事で嫌な思いをした事はそこまで無いのですが、それでも残念ながら何度か嫌な言葉を投げかけられた事はあります。

 若い女の子達が中国語の様な発音の言葉を連発しながら近づいて来て、私の顔をみて「DVD」と言ってきたり(昔、中国人が路上で違法でDVDをよく売っていたので、中国人をけなす目的でこの言葉を言う人は結構居ます)、酔ったおじさんに「とっとと自分の生まれた国へ帰れ!」等と言われた事もあります。

 私は差別的な発言をされても、基本的に無視する様にしているのですが、たまに「それは違うよ」と言ってしまう事もあります。

 今日はスーパーで買い物をしていたら、小さい女の子が私の隣で「チャイニーズニューイヤーx2」と、きらきら星の様なメロディーで歌を歌ってきたので、思わず「あ、ところで私は中国人じゃないからね」と言うと「え?そうなの?」と女の子は少しびっくりしていました。こんな風に、特に悪気を持たずに違う見た目の人を見るとつい口に出してしまいたくなる子供が居るのは、おそらく日本でもある事だと思います。

 人種差別、どこの国でもある事ですが、自分の子供がそんな発言をした時には「差別するのはいけない事なんだよ」と教えられる人が少しでも増えてくれると良いな、と思います。

 

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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