Cafetalk Featured Tutor Interview

kotomi

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Chino

kotomi Tutor Interview

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Q. kotomi先生、はじめまして。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

A.こんにちは、私はことみと申します。(現在の国籍の意味で)日本人ではないけれどもことみと名乗るので、ニックネームだと思われるかもしれませんが、これは本名です。中国語の名前をそのまま日本語読みにしたものです。

今は台湾大学の学生で、所属は文学部日本語文学学科です。しかし、日本の大学とは違って、台湾の大学は概ね(欧米の大学と同じく)「ダブルメジャー」という制度があって、生徒は二つの学科を専攻にすることが許されているのです(卒業したら学位を二つもらえます。その分、卒業の必須単位数も多くなりますが)。したがって、私は日本語文学学科のほか、中国文学学科も専攻としています。文学との絆は後ほど述べるのでここでは控えます。

日本語学科の大多数の生徒は大学に入ってから日本語の学習を始めるのですが、彼らと違って、私は中学時代に学習を始めて、今まで八年間が経ったので、より高度な日本語能力を持っています。今は学校に通う傍ら、日本語の家庭教師もやっています。また、カフェトークでも中国語のレッスンを提供しています。卒業後は日本の大学院に入って、その後、日本人向けの中国語教師と在日留学生向けの日本語教師になるのが、今の目標です。

Q. 日本語を勉強するきっかけは何だったのでしょう?

A. よく聞かれるのですが、実ははっきりとしたきっかけはないんです。ある日ふとした思いで「日本語やろう!」的な感じで日本語の学習を始めたのです。この答えにはがっかりさせられるかもしれませんが、現実は残酷です。

ですが、なぜ他の言語じゃなくて日本語だったのかという質問なら答えられます。やはり台湾では、英語以外に、最も親近感を与える外国語は日本語だからです。私と同い年の人なら大抵子供の時から日本のアニメや漫画に触れているし、店の中に日本からの輸入商品も結構多いし、街は歩くと時々看板に仮名文字や日本語の漢字語が書いてあるのに気付きます。なんというか、台湾人にとって日本語は格好いい存在なのかもしれないんですね。たとえ台湾製の商品でも包装に日本語で何かを書いて格好を付けることがすごく多いです(大抵の場合それはめちゃくちゃな日本語ですが)。多分それも、私が日本語を選んだ理由なのかもしれません。もちろん同じく漢字を使う言語に対して親近感を感じたのかもしれません。

しかし誤解されては困りますが、日本語の学習において私は結構頑張ったのです。最初は確かにそんな些細な理由でしたが、勉強するにつれて、私は次第に日本語の美しさに気付き、続けられずにいられなくなったのです。まあ魅了されたと言っても過言ではありません。今となってはもはや、日本語は私にとって第二母語みたいな存在になっていて、日本語に接しない日はないということになりました。日本における滞在経験なんですが、私は今まで日本へは五回行きました。そのうちの三回は普通のツアー旅行で特に取り上げて話すことはありませんが、四回目は一ヶ月の短期留学で、五回目は一年間の交換留学でした。四回目と五回目はいずれも東京に行きました。一ヶ月の短期留学はまだ半ば観光気分でしたが、交換留学となると、本当に「日本で生活する」ことだったのです。観光と生活は違うのです。観光に適するところは生活に適しない場合が多く、その逆もまた然り。しかし、東京で一年間の留学生活を送って、私はますます東京が好きになりました。日本語は第二母語であるように、東京も私にとっては第二の故郷であり、将来は本物の家になるのかもしれません。日本への感情や考えを述べるときりがないので、紙幅の関係でここまでにしておきます。

Q. カフェトークでは様々な言語を学ぶ生徒がいますが、他の言語を習得することはとても大変だと思います。日本語を習得されているkotomi先生の勉強方法を教えて頂けますか?

A. 勉強方法というか、あくまでも個人的な経験に基づいた考え方なんですが、まずは「愛」が必要だということなんですよ。仰ったとおり外国語学習は非常に大変なことでありたとえ頑張ってもなかなかうまくなれないケースも結構多いようですが、そこにもし「愛」という心理的な支えがなかったらどうしますか。いやここで言う「愛」というのもそんな偉いものではありませんが、要するに「興味を持つ」ことなんですよ。

私たちは色々な原因や目的で外国語を勉強します。私の場合は最初はふとした発想に過ぎなかったが、今ではもはや日本語はキャリアプランにおける大事なものです。もちろんビジネス関係や他の実用的な目的で外国語を学習する人もいるでしょう。いずれにしろ、興味は持たなければなりません。興味なしでは学習は続けられないんです。たとえ最初は趣味で学習を始めたわけじゃなくても、学習の過程で興味を培わなければなりません。例えば日本語学習者の場合は、原文で漫画が読めるようになることを目標にする人がよくいます。漫画を読むことが趣味で、この趣味を言語学習に結びつけることで言語学習に対する興味を培うわけです。また、その言語の芸術的結晶としても文学作品や、言語の背後にある文化に興味を持って学習を進めるケースも少なからずいます。興味があれば、自分から積極的に目標言語に接し、目標言語を使う機会を作るようになるはずです。

そしてもう一つ大事なのは、言語学習においては受動的な態度を取るべきではなく、能動的でいるべきです。それはつまり、一方的に単に先生から教えられた言語知識を受け入れるのではなく、今まで学んできたものと結びつけて、頭の中で再構成して、積極的な使ってみるのです。言語というのは一つの体系性を持つ有機体であり、ばらばらの文法項目の集合体ではありません。したがって、教育の便宜上、一つ一つの文型や文法項目に分解して教えているが、それは学習者の中で再構成されない限り、意味がありません。もちろんこのような再構成のプロセスに誤りはつき物ですが、誤りを怖がらなくいいんです。むしろ、誤りと指摘されたら「どうして」と、原因を求める姿勢が大事でしょう。

Q. 中国の歴史文学や古典文学など、他には中々ないレッスンがありますね!大学でも日本文学と中国文学を専攻しているようですが、Kotomi先生が文学に興味を持っているのはなぜですか?

A. そうですね。前にも言及しましたが、文学作品は言語の芸術的結晶です。そして、文化の結晶でもあります。私たちは言語を学んでいます。言語を学ぶことは文化を学ぶことだという考えに、異論を持つ人は少ないでしょう。だとすると、文化の結晶である文学に接するのは、むしろ当然のことです。

文学作品は、大抵極めて洗練された言葉を駆使して、文化や思想を凝縮して構成されたものです。よって、学習者がそこから得られる知見も多いはずです。ネットなどのほかの言語インプットのソースと違って、文学作品における言語使用は洗練されているので、より高度な表現を学習することができます。また、教科書などわざわざ学習者のために作ったものとも違って、文学作品は大抵母語話者対象に書き上げられたものなので、より自然な言葉遣いを勉強できます。そして言語学習であると共に文化の学習でもあり、一種の教養でもあります。また、母語話者との会話のネタにもなりえます。一石何鳥ですかこれ。

以上、文学作品を読む利点をいくつか挙げましたが、さて次は私が文学に興味を持つ理由を説明します。私は小さい時から読書が好きで、いつも物語の世界に魅了されました。中学から自分で文学創作(詩、小説、散文など)を試みて、新聞などに投稿して、度々採用されました。当時の作品は言うまでもなく未熟のものばかりでしたが、文字や言語に対する鋭さはその時に養われ始めたのだと思われます。高校生になって、純文学の世界に触れ、台湾文学や中国文学を起点として世界中の文学作品を読むことが趣味になりました(もちろん中にも難解で諦めたものもありますが)。文学の世界にしか見出されない文字の、言語の芸術の美しさに、私は感動して、また、作品に描かれる人間性にも、いつも共感します。もちろん自分で文学作品も書きます。高校時代に文学賞を何度も受賞したし、今では稀ですが時々文学賞を手に入れます。文学作品を媒介にして人はより深く世界を、人間を認識することができて、また、文学作品を創作することで人は世界や人間についてより深く考えることができると、私は思います。

Q. Kotomi先生のレッスンの特徴を教えて下さい。

A. 前にも言ったように、言語を学ぶことは文化を学ぶことであり、そして文学から文化を学べると、私は考えます。ですので、私は歴史物語や古典文学などのレッスンも開講しています。これは特徴の一つと言えるでしょう。中国語を学習することは他の言語を学習することとちょっと違って、現代語のみならず、上達したければ古文についてもある程度の知識を持っていなければならない。私たちは現代英語を学ぶ時に中世英語は勉強しなくてもいいですが、中国語の場合はそうには行きません。なぜなら、現代中国語の文章(特に芸術性が高い文章)にもしばしば古語的表現が混ざっており、更に「成語」というものがあるからです。上級になるためにはこれらのものを理解しないといけません。これらのものを理解するためには、ある程度古文の知識が必要です。そして、これらの古文の知識は、古代中国の社会文化と文学史と切り離して論じることができません。「成語」を例にするとお分かりになると思いますが、中国語の「成語」の多くはそれぞれの典拠を持っているのであり、その典拠の背後には大抵物語があります。これらの物語や文学を読むことは、文化に近づくことにも意味があり、また、言語学習に繋がっているのでしょう。

これらの、歴史や文化に重んじるレッスンはともかく、普通の語学レッスンはどうでしょう。私のレッスンに一時間半のレッスンがあり、やや長いのですが、毎回違うテーマについて、文章を読んだり、ニュースを聞いてディクテーションを行ったりします。私が選ぶ文章は大抵、中国文化(伝統的な祝日など)を紹介するもので、ニュースは大体近頃の時事問題であり、現代社会への認識に繋がるものです。こうして、言語学習を学ぶと同時に、目標言語が根ざしている社会と文化への認識・理解を図ることは、私のレッスンの大いなる特徴と言えるでしょう。

そして、確かに私は台湾出身者ですが、専門は中国文学学科なので、現代中国はともかく、古代中国の文化・歴史・伝統についての知識も豊富です。したがって、台湾のことだろうと中国のことだろうと、どちらも詳しく、学習者のニーズに合わせる対応ができるのです。また、小さい時から朗読の訓練を受けていたので、発音にも台湾訛りがあまりなく、標準的なものと言ってもいいでしょう。(中国と台湾の標準音が異なる場合もあるが、その時は両方明示するようにしています。)

Q. 日本でも台湾は人気の観光地になっています。是非台北やお薦めのスポットなどを紹介してください!

A. 正直、地元の人なので、どこがオススメのスポットなのかよく分からないのです(汗)台北よりも東京のほうが詳しいかもしれませんが…まあ、台北と言えばまず思い浮かぶのは台北101でしょうが、これはかつて(何年前かな)世界で一番高い建物でした。展望台から台北の夜景を眺めるといいでしょう(ただし有料なので、私自身は一度も展望台へは行ったことがないのですが)。

他に有名なのはやっぱり夜市でしょうか。夜の市場という意味で夜市(よいち)と言いますが、これは正に台湾の特色と言えるのでしょう。中にも士林夜市や師大夜市などが有名ですが、台北の夜市の数があまりにも多すぎるので枚挙に暇がないほどです。観光地らしいところに行きたいのであれば士林夜市、地元の人も普通に行くところでしたら景美夜市などがいいでしょう。因みに西門町というところは夜には夜市になるのですが、昼は商店街で、台湾の原宿と言われるほど若者の集い場所です。

最後に台湾大学にもぜひ来て見ていただきたいのですが、なぜかというと、これは日本統治時代に日本人が立てた大学で、もともとの名前は「台北帝国大学」だったからです。日本と縁が深いというのもあって、また、日本風の建物もいっぱい残っているのです。

Q. 最後に、カフェトークの生徒にメッセージをお願いします。

A. 中国語は美しい言語です。そしてその背後にある五千年の歴史もまた偉大なものです。ぜひとも中国語を学んでみてください。たくさんのリクエストを待っています。

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